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「今回は一緒に作った」黒夢が90年代“超不仲時代”の名盤をリテイク 50代の自分たちにできて、若い世代には“できない”こととは

「今回は一緒に作った」黒夢が90年代“超不仲時代”の名盤をリテイク 50代の自分たちにできて、若い世代には“できない”こととは

黒夢が、90年代を代表する2枚のアルバムをセルフカバーした『CORKSCREW 2026』『Drug TReatment 2026』を同時リリース。さらに7月にはTOYOTA ARENA TOKYOでの3DAYS公演、9月には東京ガーデンシアター公演も控えている。再び動き出した黒夢の現在地、そして90年代の楽曲を今あらためて鳴らす意味について、清春と人時に話を聞いた。(前後編の前編)

「今回は一緒に作った」黒夢がセルフカバーで選んだ2枚

――まず、今回この2枚のアルバムをセルフカバーする作品として選んだ理由をお聞かせください。

清春:(人時に)お願いします

人時:えっ、僕が言うの?

清春:ちょっと変えていこうかなって。

人時:一昨年ぐらいですかね。久々に撮影で会ったときに、「録りたいんだよね」って言ってくれて。その後、『CORKSCREW 2025』というライブがあって、そこでやっていた曲を結果的に収録していった形になりました。

――「久しぶりに会った」というのは、何年ぶりぐらいだったんでしょうか。

人時:本当に前回のライブツアーから10年ぶりとかですね。それから、まったく話もしていませんし、連絡先も知らなかったので。

――今回の2枚は、黒夢にとってどういった時期の作品だったのでしょうか。

人時:えっと……僕ばっかり質問されるんですね(笑)

清春:リーダーなんでね。

人時:今思えば、世間的にもイケイケな時代だったし、黒夢自体もすごくイケイケな状態だった。そんな中で、いろんな問題もあって、毎回、反抗心というか反発というか、「何くそ」と思いながら、言いたいことを言ってきた。姿勢として見せてきた時期の作品なのかなと。

――当時、アルバムを作っていたときはどんな日々でしたか。

人時:「記憶にございません」……っていうぐらいあまり覚えてないですね。2人とも仲が悪かったので。話もしないし、当然同じ場所にもいない。目も合わせない。ライブでも、本番前の数秒だけ袖に一緒にいるみたいな、本当にそんなノリだったんで。それぐらいの記憶しかないですよ。

――今回、そのアルバムをリテイクしてどうでしたか?

清春:当時の『CORKSCREW』って仲が悪い時期だったので、一緒に作っていないんですよ。今回は一緒に作ったという感覚がしますね。やっとひとつ、引っかかっていたものが取れた感じというか。

――2人でいろいろ話し合いながら「こういう感じにしよう」と重ねていった感じでしょうか。

人時:密に話した感じではないんですけど、「こうしたいんだよね」とか。リアレンジではなくて、極力リテイクな感じで、という方向性のすり合わせは、最初の段階でありました。

清春:だから、今回は一緒に作ったのに、仮に昔の方が良いとか言われてしまったら、ほんとに微妙な気持ちがするな(笑)。

「昔のオリジナルの方がよく聴こえる理由は……」

――では今回の2枚は、当時のものに比べると相当進化していると。

清春:当時のはすさまじくひどいんですよね、歌が。音質も良くない。特に『Drug-』なんかそう。でも、それが限界だと思っていて、いいと思ってやっていたんです。当時黒夢を好きだった人は今回聴いて、「音が違う」と言うと思うんですけど、それはシンプルに音が良くなっただけ。

当時のアルバムに勢いがあったかというと、今の僕らが聴くと、勢いもないんですよね。若くて青臭いというのはあるけど、パワフルだったとか、グルーヴしていたかというと、全然そんなことない。

ピッチも取れていないし、昔の僕の歌はリズムもめちゃくちゃ悪いし、滑舌も悪い。誤魔化しの集まり。今はもうちょっとまともに試合できるようになった感じ。

バレーの試合とかそうじゃないですか。弱いチームはまぐれでつないでつないで、こっそり相手のコートにボールを落としたり、誤魔化しながらやっている。でも強いチームって、スピードとチームワークとパワーで制圧する。

今回は後者。以前は前者で、相手が見ていないときに、スっとコートに入れるような、そういう姑息さの塊というか(笑)。

――いやいやいや、そんなことはないと思いますが…!

清春:でも、それなりに何かしようという気持ちは当時もあって、若いからそれがよかったんでしょうね。ただ、同じ議題で、同じ曲で、同じアレンジでやると、今と当時ではあまりにも差が出る。

昔のオリジナルの方がよく聴こえたとしたら、その理由は、「思い出」それしかないと思う。

で、今回のリテイクは、その思い出を凌駕できるぐらいのポテンシャルはある。「リテイクはやめてほしかった」という感想が出るのではなく、「これだったらいいな」という方だとは思いますね。

――「Sick」のように、もともとアルバムに入っていなかった曲を入れたり、逆に収録していない曲もありますが、それぞれに理由はありますか?

清春:去年からの再始動ライブで、やっていない曲は入れていないですね。逆に、ライブで外せない曲、「Sick」とかは入れようという話になって。本当は「FAKE STAR」とかも入れたかったんだけど、そうしていくとどんどんオリジナルから遠くなっていくからね。

「人時さん作曲の曲が外れている」みたいな声もあるんですが、僕らはそもそも、どちらが作った曲かなんてもはや覚えてない(笑)。

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