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「会社員だから」って諦めなくていい!伊藤園発のジャスミン香水『Crazy Jasmine』仕掛け人に聞く、組織で“私の好き”を形にする働き方

「会社員だから」って諦めなくていい!伊藤園発のジャスミン香水『Crazy Jasmine』仕掛け人に聞く、組織で“私の好き”を形にする働き方

仲間との出会いと、お客様の声から生まれた「本物の香り」

——専任化されてからずっとお一人で活動されていた中で、社内で協力者が出てきたのはどのタイミングでしたか?

2年間はずっと一人でやっていました。ある日、偶然社内ですれ違って「まるでジャスミンのような綺麗な子だな」と思って声をかけた露内(つゆうち)という社員が、2年目の夏に半日だけ売り場に立ってくれたんです。露内とは普段いるフロアが違ってまったく面識はなかったのですが、一度通り過ぎた後に「やっぱり声をかけよう」と思って戻って声をかけました。

——すごい勇気ですね!社内でのナンパのようです(笑)。

本当にそうですね(笑)。でも、弊社の社長も「言うのはタダだから言ったほうがいい。言ってみて気まずかったら謝罪すればいいから」とよく言うので、思ったことは言うようにしています。その販売が終わった後、彼女のほうから「向田さん、事業はこの後どうなるんですか?もし今後も続くなら一緒にやりたいです」と言ってくれて。

——それは嬉しいですね!

初めて「一緒にやりたい」と言ってくれる人が現れて、本当に嬉しかったです。その後、事業の継続が決まった際に「今は一人でやっているので、一名増員をお願いします」と役員の皆さんに伝えて、翌春に異動してきてもらいました。運命の出会いですね。

——これまた向田さんの行動力が実を結んだ素晴らしいご縁ですね。そうして事業を進めていく中で、商品も最初のアロマウッドバングルから香水へと変化していきましたよね。

はい。私は本当は最初からジャスミンの香りそのものを作りたかったのですが、バングルの製造では木を曲げる技術などに悩むことが多くて、悶々としていました。実際に販売してみると、中の香りのオイル(ロールオン容器)だけを単体で買っていくお客様が多くて。「肌につけられないんです」とお伝えしても「自己責任でつける」「ハンカチにつける」などとおっしゃる方が多く、「絶対に香水にしてください!」という声をたくさんいただきました。「香りを(バングルで)取り外したいと思わないですか?」と聞くと「いい香りだから、肌につけたい」と。そうしたお客様の声によって香水に変わっていったときが、一番嬉しかったですね。

——香水作りでとくにこだわった点はどのような点ですか?

本物の「ジャスミンの咲きたての香り」にしたかったんです。香水って通常、トップ、ミドル、ラストと香りの変化を楽しむものですよね。香りを長持ちさせるためにムスクなどを入れて試作したのですが、香りが変わってしまって。だから、あえて何も入れませんでした。持ちがあまり良くないので売れるかどうか不安で、お客様にも「肌質によっては、3〜4時間くらいで飛んでしまって持ちが良くない場合があります」と正直にお伝えしていました。最初は売れる自信がなかったのですが、香水に変えてからどんどん話題になっていって。「咲きたての香りがする」とお客さんが寄ってきてくれるのがすごく嬉しいです。普段は香水をつけない方にも「これならつけられる」とご購入いただいています。

——お客様の声を現場でしっかり聞いて、本当に求められている自然な香りをそのまま形にしていったのですね。

はい、売り場でお客様の意見を聞いて改良を重ねていきました。今では4種類のジャスミンの香りの違いを楽しんでいただけます。

——ちなみに、『Crazy Jasmine』というブランド名もなかなか尖っていて印象的ですが、どのように決めたのですか?

最初のギフトショーに出展するとき、ブースの名前をつけないといけなくて、そのタイミングで名付けました。由来は「Crazy for Jasmine」。ジャスミンに夢中、ジャスミンが好きでたまらないという意味です。

前向きな失敗も、会社員だからこそできる挑戦

——起業ではなく、社内で自分のやりたいことをやるメリットは何だと思いますか?

やっぱり、伊藤園のジャスミン茶『Relax JASMINE』を好きなファンの方から支持を得られることは大きなメリットでした。また、最初に百貨店で商談をする際も、個人だったら商談にさえ行けなかったと思いますが、当社の営業との繋がりや、百貨店に伊藤園のショップが入っている繋がりで商談に行けたりしたので、そこは会社の強みを活かせたなと思います。

——社内で夢を叶えるために、ご自身でどのような努力が必要だったと振り返りますか?

元々本当にジャスミンが大好きだったので、すごく努力したという感覚はないんです。ただ、私はずっとデザイナーだったので、エクセルなどの事務作業が全然できなくて。色々な人に教えてもらいながら事業計画書を作ったのは、ちょっと頑張りましたね(笑)。

——好きなこと以外にも未経験のことなどたくさんの挑戦されたことがわかりました。最後に、やりたいことやアイデアはあるものの行動に移せていないという読者の方たちへ、応援メッセージをお願いします。

私が言うのもおこがましいですが……私自身も結構心配性で、夜眠れなかったこともありました。でも色々な人に相談して「死ぬわけじゃないんだから」と思うようになりました。社内ベンチャーなので、もし失敗しても咎められるわけではないですし、伊藤園の手帳にも「前向きな失敗は成長の源である。」と書いてあるんです。

私も「もし失敗に終わってもデザイナーに戻ればいい」くらいの気持ちで始めて、今もそのように思っています。死ぬわけではないので、あまり深刻に考えすぎず、思い切ってやってみればいいのではないでしょうか。今はメンバーも私を含めて4人に増えましたが、年功序列などもなく、チームで仲良く楽しんでやっています。皆さんもぜひ、楽しむ気持ちで一歩を踏み出してみてください。

クレイジージャスミン POPUP STORE

2026年 7月30日(木)〜 8月5日(水) 渋谷スクランブルスクエア6F

向田 陽子(むかいだ ようこ)● 2006年、株式会社伊藤園入社。17年間ジャスミン茶のデザインを担当。2018年〜2022年にデザイン制作室長を経験し、2022年社内ベンチャー制度に応募。2023年5月、事業が採択され新規事業部署に異動し、3年間の事業検証を経て、2026年5月、株式会社伊藤園より新会社として株式会社Crazy Jasmine Tokyoを設立。同社代表取締役社長に就任。

配信元: パラナビ

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