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「見つかったよ、本当に助かりました」彼のボイスメッセージは、私宛のものではありませんでした

「見つかったよ、本当に助かりました」彼のボイスメッセージは、私宛のものではありませんでした

誰に向けた言葉か、わからない

何度聞いても、彼が誰に向けて話しているのかわかりませんでした。残っているのは店の物音と、「見つかったよ、本当に助かりました」と弾んだ声を上げる彼の言葉だけ。

気になったのは、ここ半年の彼が、出かけ先を聞いても「ちょっと用事」とだけ返すことが増えていた点です。ボイスメッセージの向こうにあるものが、その用事の正体に思えて、彼がそのメッセージを取り消すまで、再生を止められないままでいました。

その声は、私に向いていなかった

もう1つ気がかりがありました。テーブルに置いた彼のスマホが短く震えるたび、彼は画面を下に向けていたのです。相手がだれか聞いても「仕事の知り合い」と返すだけで、誤魔化されるだけでした。

私と話すときよりずっと親しげなあのボイスメッセージと、こちらに見せたくないという彼の動きが結びついて、自分だけが蚊帳の外に置かれた気がしました。「さっき、なんか送った?」と送ってみると、返ってきたのは「ごめん、間違えた」の一言。聞きたいことはたくさんあるのに、確かめるのが怖くて、私はそこで質問を引っ込めました。

配信元: ハウコレ

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