訃報スクープが誤報だった過去も
こうした“フライング”が問題となったのは、今回が初めてではない。「王将」「無法松の一生」などのヒット曲で知られ、昭和歌謡界を代表する演歌歌手・村田英雄さんをめぐっては、晩年に「死亡スクープ」が報じられながら、その時点では本人が存命だったという大誤報騒動が起きている。
スポーツ報知が2002年6月8日付朝刊の一面で村田さんの訃報をスクープ報道したが、当時の村田さんはまだ入院加療中で、実際に亡くなったのは5日後の6月13日だったとされる。誤報発覚後、同紙は紙面で訂正・謝罪を行い、「取材・確認体制に不備があった」と説明したが、全国紙級のメディアが著名人の生死という最重要情報を誤報したことは、報道機関の信頼性を揺るがす一大事件として記憶された。
「スポーツ報知のスクープをうのみにして、テレビ朝日『やじうまワイド』や夕刊紙の東京スポーツ、日刊ゲンダイが追随しました。その後、誤報と判明して全メディアが訂正・謝罪するという騒動になりましたね。誤報元の報知だけでなく、追随したメディアの担当者もかなりの数で厳重注意などの懲戒処分が出ました。以降、命に関わるニュースには『一番早く』より『確実に正確』を最優先するルールとなりました」とは、前出の当時を知るテレビ関係者。
故人への思いを抑えきれずに発信した関係者のことを一概に断罪するわけにはいかないが、SNS時代になり「悼みの共有」のあり方が改めて問われることになった。
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