7月24日から3日間、新潟県湯沢町の苗場スキー場で「FUJI ROCK FESTIVAL ’26」が開催される。海外からの多くの有名アーティストや藤井風、Hi-STANDARD、XGら国内のアーティストが集結し、今年も本格的な夏フェスシーズンがやってきた。
一方、「行きたいアーティストはいるけれど、一緒に行く人がいない」と参加を迷う人も少なくない。かつて一人でフェスに向かう途中、見知らぬカップルから「フェスに一人で来てる」と笑われた女性がいる。本人やベテラン参加者に話を聞くと、“ぼっちフェス”は寂しいどころか、自由に音楽を楽しむための合理的な選択だった。
「ライブ一人はいいけどフェスは…」と陰口
2年前、ある投稿がSNSで大きな反響を呼んだ。
〈後ろを歩いてる知らんカップルに
フェスに一人で来てるw ライブ一人はいいけどフェスはw
ってボソボソ言われてますが私は元気です〉
投稿したのは、へちまへちさん。当時、愛知県名古屋市で開催された野外音楽フェスに一人で参加し、会場へ向かっていたところ、後ろを歩く男女の会話が聞こえてきたという。
投稿には、
〈一人で行動できない人なんですよ。気にしないで〉
〈熱量があれば、むしろ一人のほうが楽しみやすい〉
〈好きな音楽を聴きに行くのに人数は関係ない〉
など、へちまへちさんを励ます声が相次いだ。
ただし、SNSには「フェスに行きたいけれど一人は不安」「ぼっち参戦する勇気がない」といった書き込みも少なくない。ライブハウスでの公演には一人で行けても、広い会場を長時間歩き回るフェスとなると、心理的なハードルを感じる人もいるようだ。
へちまへちさんは、年に1~2回ほどフェスに足を運び、これまでの参加回数は約10回。複数人で参加した経験もあるが、一人ならではの利点をこう語る。
「グループで行動すると、自分の観たいアーティストを観られなかったり、休みたいときに休めなかったりします。その点、一人なら好きなアーティストを好きなタイミングで観に行けますし、疲れたら途中で抜けても問題ありません。
友人の誘いを断ってまで、あえて一人で行くわけではありませんが、一人参加にはそれなりのメリットがあると思っています」
朝から深夜まで続くこともある夏フェスでは、体力の配分が重要になる。食事を取る、日陰で休む、混雑するステージを避けるといった判断も、一人なら自分の体調だけを基準に決められる。
とりわけ山間部で開催されるフジロックは、複数のステージが広い会場内に点在する。観たい出演者が重なれば、同行者同士で希望が分かれることもある。最初から別行動を前提にする参加者も珍しくない。
フェスの「3日間で5人とやった」伝説の女性
2000年の初開催時から「SUMMER SONIC」に参加し、現在も年に一度はフェスへ足を運ぶ40代の主婦・ぱるんだいさん(仮名)も、一人行動を基本としている。夫と一緒に会場へ行っても、現地では別々に過ごすという。
「ぼっち参戦は、私にとっていいことしかありません。入場時間も帰る時間も自由ですし、好きなタイミングで食事や休憩ができます。はぐれる心配をせず前方へ行けますし、ステージを移動するタイミングも自分で決められます。
フェスは、少し気になるアーティストから大好きなアーティストまで、一日にたくさんのライブを観られる場所です。誰かに気を使って、観たいものを諦めるのはもったいないと思います」
一人参加をためらう人には、「一人で飲食店へ入るよりも気軽」と話す。
「フェスでは店員さんと会話を続ける必要もないですし、周囲もステージを観ています。タイムテーブルを片手に、一人で宝探しをするような感覚です」
名前しか知らなかったアーティストを偶然観て、夢中になることもある。その場で予定を変えられるのも、一人参加ならではの楽しみだ。
さらに人によっては、一人でフェスに参加し、現地でさまざまな人と交流するという凄まじいコミュ力を発揮している人もいる。
2015年、「FUJI ROCK FESTIVAL」に行ったという女性が、フェス期間の3日間で5人と行為をしたと明かしたポストが話題になった。
当該のポストは〈お酒飲みまくって、はしゃぎまくって、食べまくって、ナンパされてテントでSEXして... いい夏の思い出になりました。笑〉〈てかフジロック3日間で5人とSEXって、私ビッチみたいですね。。。 フェスティバルだから許してください。笑〉というもの。
この体験談の真偽は不明だが、今も語り継がれるほどの伝説となり、夏のフェスシーズンになると定期的にSNSに流れてくる。
ただ、フェスでのナンパ行為は、フェスにおける“大迷惑行為”の一つとして問題視され、これが女性の一人参加を躊躇させる原因にもなっている。
前述の通り、一人でフェスに参加している人は、心から音楽を楽しんでいる。その最高の時間に水を差すようなことは、ご法度とされている。

