7月24日(甲子園)、才木は8回まで2安打無失点・12奪三振・111球という圧倒的な投球を披露した。今季4度目の1試合2桁奪三振、4年連続の投球イニング100超えも達成。完封もちらつく中、NPB最長記録タイとなる「対巨人戦11連勝」まであと3アウトに迫っていた。
しかし9回2死三塁、4番ダルベックをカウント2ボール2ストライクまで追い込みながら、6球目の抜けたフォークをフルスイングで左中間へと運ばれた。逆転2ランだった。マウンド上でがっくりとひざをつき、30秒も立ち上がれない才木のもとに佐藤輝明が駆け寄り肩を叩いた。
それでも才木に敗戦投手のとはならなかった。9回裏に森下翔太の犠飛で味方が同点に追いついたからだ。延長10回にリリーフの岩崎優(35)がドラフト5位ルーキー・小浜佑斗にプロ初本塁打となる決勝2ランを浴びてチームは最終的に2-4で敗れたが、「Gキラー才木」の10連勝という数字は消えず、「対巨人戦11連勝」の挑戦は次の登板へと持ち越された
「63年ぶり」が意味すること
そのため、巨人打線の逆襲を受けたとはいえ、才木の記録にはいまだ注目が集まっている。対特定球団10連勝以上という記録を持つ投手は、NPBの長い歴史の中でも才木を含めて5人しかいない。1962〜63年の権藤博(中日)が11連勝、1957〜58年の金田正一(国鉄)と1971〜73年の星野仙一(中日)、1995〜97年の山内和宏(広島)がそれぞれ10連勝。さらに注目すべきは、過去4人はいずれも救援勝利を含んでいた点だ。
「金田は先発6・救援4、星野は先発1・救援9、山内は先発5・救援5。才木の10連勝はすべて先発勝利によるもので、これは史上初だ。また阪神投手による同一カード2桁連勝は1981〜90年の中田の大洋戦10連勝以来で、先発として巨人戦だけで10度の白星を重ねるのは、単なる相性を超えた支配力の証明と言えます」(スポーツ紙記者)
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なぜGキラーの称号は揺るがないのか
24日の試合で、巨人打線の逆転を許した要因は「抜けたフォーク」という才木本人が認める投球ミスだが、逆にいえば9回2死三塁という場面まで完全に封じ込めていた事実こそが"Gキラー"の本質を示しているともいえる。
才木は「相手の反応や傾向を見ながら配球を変えている。慎重になると逆に打たれる」と語り、「自分のピッチング主体」という軸をぶらさない。弱点として丸佳浩や大城卓三との相性の悪さも指摘されるが、「率は高いけど抑えてるときは抑えている。そんな気にすることはない」と意に介さない。最速158キロの直球で巨人打線を根底から脅かす姿勢は、1球の投球ミスによって揺らぐものではないとみていいだろう。
