家族3人だけの、久しぶりに動いたチャット
父からの通知音でスマホを開くと、家族チャットに未読の印が点いていました。夕方のこの時間のチャットは、たいてい母の買い物メモか、私の帰宅連絡です。父の名前が並んでいるのは珍しいことで、不思議に思いながらも開きました。
画面に表示されたのは、父の顔と、知らない女性の背中でした。父の腕が、その女性の肩に回されています。ソファのようなものに座っている2人。私は自分の目を疑って、画面を2度見しました。
「だれ?」
私はチャットに送りました。既読が2つ、すぐに点いたのがわかりました。
父の「知らん」の返信と、消された写真
父からの返信は、「知らん」の一言だけでした。
そして、返信が届いたときには、写真はすでに消えていました。トーク履歴には「メッセージの送信を取り消しました」の表示だけが残り、私の「だれ?」と父の「知らん」が、その後に並んでいました。
母は何も送ってきませんでした。私は返信を打ちかけて、そのまま画面を閉じました。何を送るのが正解なのか、わかりませんでした。
