「今シーズンだけでなく、永久に彼を登板させないようにすべきだ」――。この発言が、大谷翔平ファンの怒りに火をつけた。投手として前半戦に防御率1.79という歴史的な数字を残しながら、左膝の故障で後半戦の復帰が白紙になっているドジャース・大谷翔平に対し、米球界から飛び出した「投手引退勧告」が話題を呼んでいるのだ。
スポーツ紙のデスクが言う。
「発端は現地時間の7月23日、MLB公式ネット局『MLBネットワーク』の番組『MLB NOW』の中で、長年コメンテーターを務めるアナリストのロブ・パーカー氏が投手・大谷翔平への"引退勧告"を突きつけたこと。彼は『もう投球は十分だ。ドジャースは彼が投げなくても困らない。投げる姿は見たくない』と言い切り、さらに『2年前に大谷が投げなかったシーズン(2024年)を見ただろう。50−50を達成した。あれが私たちが見てきた中で最高の大谷翔平だった』と打者専念することを促したのです」
なぜこの発言が出たのか
このパーカー氏の発言の背景には、大谷の現状が横たわっているとの指摘もある。今季の大谷は2026年に3年ぶりの本格的な二刀流復帰を果たし、前半戦は14先発で8勝2敗・防御率1.79、打者としても20本塁打・OPS.939という歴史的な数字を残した。
しかし6月以降は左膝炎症が悪化。水を抜く処置や注射を受けてオールスターを辞退し、後半戦初戦は打者に専念。さらにパドレス戦では右上腕二頭筋の違和感を訴えて途中交代するなど、左膝以外の部位にも故障を抱えていることが明らかになった。
7月29日の試合では後半戦初打席となる23号本塁打を含む3安打3打点と打者として爆発したが、投手復帰の時期については「左膝は待つのが一番」「右上腕二頭筋も100ではない」と慎重な言葉を口にした。規定投球回数にも遠く、サイ・ヤング賞争いから後退している現実が、パーカー氏の発言に火をつけた格好だ。
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日米で分断する二刀流の見方
パーカー氏の発言は、大谷を応援する日本のファンからも激しい怒りを買っているが、その一方で米メディア『クラッチポインツ』は「パーカーの発言はドジャースファンの反感を買ったが、何度も手術をし、膝の故障に苦しんでいるため、長期的な投手としての将来を懸念するのは当然だ」と冷静に論評した。
パーカー氏自身も以前から「私は彼を史上最高の選手だとは思っていない」と公言しており、今回の発言は突発的なものではなく、持論の延長線上にあることが窺える。日本では「二刀流という概念そのものが大谷の価値」という見方が主流だが、米国の一部では「チームの勝利に直結する打者・大谷だけで十分」という実利的な視点も根強い。この温度差こそが、今回の論争を増幅させた本質ともいえるのだ。
