彼女の化粧品を洗面台の奥に移した僕が、その日言えずにいた本当の理由

水がかかるから、ものが落ちるから。彼女に告げた理由は、本当のことです。でも僕には、まだ打ち明けられていない、もうひとつの理由がありました。洗面台の棚を片付けながら、僕は奥のスペースを丁寧に拭いていました。彼女の化粧品を、いちばん安全な奥へ移すためです。僕のものはどこに置いても構いません、守りたかったのは彼女のものでした。ただ、その気持ちをうまく言葉にできないのが僕の悪いところなのです。

同僚との食事の精算要求をうっかり彼女へ送ってしまった男性。慌てて誤魔化し、本当の理由を打ち明けられなかった不器用な情けない事情とは?さらに、彼の家の洗面台で自分の化粧品だけが奥にしまわれていて、理由を聞けずにもやもやを募らせる彼女。そして、彼女の化粧品をあえて奥へと移した彼が、その日どうしても口に出せなかった甘酸っぱくも切ない「本当の理由」など、視点の違いで織りなす3つのドラマに迫ります。

水がかかるから、ものが落ちるから。彼女に告げた理由は、本当のことです。でも僕には、まだ打ち明けられていない、もうひとつの理由がありました。洗面台の棚を片付けながら、僕は奥のスペースを丁寧に拭いていました。彼女の化粧品を、いちばん安全な奥へ移すためです。僕のものはどこに置いても構いません、守りたかったのは彼女のものでした。ただ、その気持ちをうまく言葉にできないのが僕の悪いところなのです。