「将来が楽しみ」と思えるきっかけに──起業体験で未来を描く

イベント最終日は、「こども起業塾」のプログラムが行われました。この日のテーマは、起業そのものを学ぶことではなく、自分の将来について考え、誰かの困りごとを解決する発想に触れることです。子どもたちはワークショップを通して、自分自身の未来と向き合いながら、新しいアイデアを形にする楽しさを体験しました。
最初に取り組んだのは、「25歳の自分」を思い描くワークです。大谷翔平選手も活用したことで知られる「マンダラチャート」を使い、将来どのような自分になっていたいかを書き出していきました。はじめは「将来のことは分からない」と悩む様子も見られましたが、講師が自身の経験を交えながら、「その時々で目の前のことに全力で取り組むことが、今の仕事につながっている」と語りかけると、子どもたちは少しずつ未来をイメージし始めました。
続いて行われたのは、お客さん役のスタッフが抱える悩みを解決するアイデアを考えるグループワークです。「時間がなくて運動できない」という悩みに対し、「運動するとポイントが貯まり、好きなグッズがもらえるアプリ」といった自由な発想が次々と生まれました。正解を探すのではなく、「相手が喜ぶにはどうしたらよいか」を考え、自分たちのアイデアを形にしていくことが、このプログラムの大きな目的です。
ワークを終えた後、子どもたちは改めて「25歳の自分」と向き合いました。「家族を大切にしたい」「鉄道が好きだから、一緒に学んだ仲間と鉄道会社をつくりたい」など、自分らしい将来像を具体的に書けるようになったそうです。参加者からは、「将来に期待が持てるようになった」「書いたことを25歳のときに実現したい」といった感想も寄せられました。未来はあらかじめ決まっているものではなく、自分で考え、一歩ずつ経験を積み重ねていくことで形になっていく――そんな前向きな気づきを得られる一日となりました。
3日間の体験が子どもたちの未来への一歩に

3日間のプログラムを終えた後に行われたアンケートでは、イベントの満足度は約100%という結果となりました。さらに、参加した子どもたちの91%が「将来やりたいことが見つかった」「働くことへのイメージがプラスになった」と回答しています。食・建築・起業という異なる分野を体験しながら、自分自身の興味や可能性と向き合った時間が、将来を前向きに考えるきっかけにつながったことがうかがえます。
今回のイベントは、一度きりの特別な企画ではありません。「こども建築塾」「こども起業塾」「食農みらい塾」は、それぞれ継続して取り組まれている教育プログラムです。建築や起業の分野では、第一線で活躍するプロから直接学べる機会を設けるなど、実際の仕事に触れながら学べる内容が特徴となっています。また、「食農みらい塾」では、食や農業を身近に感じられる体験を通して、社会とのつながりを学ぶ機会が用意されています。
これまでの実績も豊富です。「こども建築塾」はこれまで約4,600名が参加し、満足度95%を維持しています。「こども起業塾」は第15回キャリア教育アワード(大企業の部)優秀賞を受賞しており、参加者満足度は90%です。「食農みらい塾」の母体となる自然学舎も、これまで15,000人以上が参加し、第17回キッズデザイン賞を受賞するなど、多くの実績を積み重ねています。
