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〈金魚すくいが激減?〉都内の祭りで見かけなくなった“縁日の定番”…残った金魚は店じまいの後どこへ行くのか「長生きする金魚はあまり見たことがない」

〈金魚すくいが激減?〉都内の祭りで見かけなくなった“縁日の定番”…残った金魚は店じまいの後どこへ行くのか「長生きする金魚はあまり見たことがない」

夏祭りの風物詩として、長年親しまれてきた金魚すくい。だが近年、命ある金魚を祭りの遊戯として用いることへの疑問の声も上がっている。東京都江戸川区が開催する「江戸川区特産 金魚まつり」をめぐって、2025年に動物福祉の観点から金魚すくいの廃止を求めるオンライン署名が立ち上がり、8000人を超える賛同が集まったのだ。

 

金魚すくいにおける金魚の扱いが問われる一方で、祭りで使われた金魚の行く末は、ほとんど知られていない。すくわれなかった金魚は、祭りの後、どのように扱われているのか。金魚の卸業者や縁日の関係者らを取材すると、その舞台裏が見えてきた。

金魚すくいで残った金魚はどこへ行くのか

金魚すくいを取り巻く変化は、動物福祉をめぐる議論だけではないようだ。

筆者が世田谷区、渋谷区、港区、千代田区で開かれた夏祭りを訪ねたところ、いずれの祭りでも金魚すくい屋台の出店は確認できなかった。都内で夏祭りの運営に携わる50代の女性は、縁日の変化についてこう振り返る。

「コロナ禍前までは見かけましたが、ここ5年くらいは金魚すくいの出店を見ていません。猛暑ですぐに金魚が弱ってしまうでしょうし、持ち帰っても飼育できる環境がない人がほとんどなのではないかと思います。代わりに、管理のしやすいスーパーボールすくいやヨーヨー釣りの店が増えている印象です」

実際、祭り用の金魚を扱う業者に話を聞くと、こうした変化はコロナ禍以前から始まっていたという。関東圏で20年以上にわたり、金魚すくい用の金魚や関連商品を扱う卸売業者で働くAさん(30代)は、その要因の一つとして、家庭で金魚を飼う人の減少を挙げる。

「金魚すくい自体は、コロナ禍前から少なくなっていたと思います。お祭りで子どもが『金魚すくいやりたい』と言っても、保護者が『持って帰ったって、どうせ飼えないんだから』と止める場面も多いそうで、実際に持ち帰る人が減ったという話もよく聞きます。

積極的に金魚すくいをする親子は、もともと魚が好きで、持ち帰った後も家で飼うつもりがある方が多いですね。ただ、最近は物価高もあり、趣味にお金をかけることを家計上よしとしない家庭もあるでしょうし、家で観賞魚を飼うこと自体のハードルが、ここ何年かでグッと上がっている印象です」

金魚すくいを楽しむ人や持ち帰る人が減る中、祭りですくわれずに残った金魚は、どこへ行くのだろうか。Aさんは、祭りの後の扱いについては「金魚を仕入れた業者に委ねられる」と前置きしながらも、こう話す。

「お祭りでよく使われるのは、『小赤』と呼ばれる金魚です。ペットショップでは、アロワナなど大型の熱帯魚の生き餌としても販売されています。お祭りで役目を果たした金魚の扱いについて相談を受けた際には、そうした活用法を紹介することもあります」(Aさん)

回収も放流も難しい、余った金魚の実態

しかし、祭りの後に残った金魚を販売元が引き取ることは可能なのか。

関西圏で約30年にわたり金魚を扱う業者のBさん(50代)は、かつて20~30軒の業者に金魚を卸していたが、コロナ禍以降、取引先が減少し、卸売をやめて店先で金魚すくいを行なっているという。Bさんは、販売元による回収の実情をこう説明する。

「金魚すくいの金魚は、お祭りのゲームで使う魚として、一つの袋に数百匹、多いときには千匹ほど詰めて出荷されます。あくまでも『ゲーム用の魚なので、その後の保証はありません』という扱いです。

高級な観賞魚のように1匹ずつ丁寧に扱われるわけではないため、輸送や環境の変化によるストレスで弱ってしまうことも少なくないです。もちろん、丁寧に管理されているところもありますけどね。よほど飼育設備が整い、専門的に管理できるところでなければ、販売元が回収するのは難しいと思います」

Bさんは、残った金魚の行方について、かつて耳にした事例を挙げた。

「一昔前までは、余った金魚を川に放流していたという話を聞いたことがあります。金魚は、もともとフナ類を祖先とし、中国で突然変異を持つ個体の選抜や交配を重ねて品種化された魚です。仮に川や池で生き延びて住み着いて、仮に繁殖した場合、野生環境に適応しやすい特徴を持つ個体が残る可能性はあります。ただ、自然界に放された金魚は、ザリガニやカメなどに捕食されるリスクも高く、ほかの生き物の餌になってしまう個体も多いでしょう」(Bさん)

もっとも、余った金魚を川や池へ放してよいわけではない。金魚の放流を全国一律に禁じる法律はないものの、環境省は生態系への影響を防ぐため、飼育している魚を自然界に放さないよう呼びかけている。自治体や施設によっては、条例や管理規則で禁止されている場合もある。

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