「長生きする金魚はあまり見たことがありません」
では、祭りの現場に残った金魚は、営業中や店じまいの後、どのように管理されているのか。縁日などで金魚すくいの屋台に立つCさん(20代)に聞いた。
「うちの場合、営業中の水槽管理はエアポンプのみで、水温を調整する設備などはありません。餌も十分には与えられないため、正直、弱っている金魚が多いです。何百匹もの金魚を同じ水槽に入れていると、病気もすぐに広がります。そのため、弱りきった金魚は、見つけ次第、別の容器に移して処分します。
祭りが終わった後は、残った金魚を大きな水槽に移して保管しています。その後も生き残った金魚は別の祭りで使うこともありますが、正直、長生きする金魚はあまり見たことがありません」
こうした現場での扱いは、江戸川区の「金魚まつり」で行われる金魚すくいの廃止を求めたオンライン署名でも問題視されている。署名では、金魚が狭い容器の中で繰り返し追われ、すくわれることによるストレスやケガのほか、持ち帰る際に小さな袋の中で酸欠や水温変化にさらされることなどが挙げられている。
同年9月には江戸川区議会でも取り上げられたが、区側は金魚すくいを継続する方針を示した。あわせて、金魚が「命ある大切な存在」であることを啓発していく考えも明らかにしている。
夏祭りの定番として親しまれてきた金魚すくいだが、伝統として続けていくうえでは、祭りの最中だけでなく、祭りのあとまで含めた金魚の扱いに改めて向き合う必要があるのかもしれない。
取材・文・撮影/集英社オンライン編集部ニュース班

