「本当は腸が煮えくり返っている」パンダ不在に揺れる本音
今、取り壊しが決まっている東園パンダ舎では、観覧通路を開放し、上野のパンダの歴史を紹介するパネル展が開かれている。
展示初日の7月25日に訪れた50代の女性は、「シャンシャンが好きで毎週通っていました。中国へ行ったシャンシャンは上野にいた時よりのんびりしている感じがして、あんな風に過ごせるなら笑顔で送り出した方がいいんじゃないかなと思います」と複雑な思いを口にした。
動物園の担当者はパンダの存在について、
「上野動物園が日本で初めて飼育をした動物なので、歴史もありパンダは特別な存在です。パンダの飼育担当の多くは現在別の動物の飼育に携わっており、動物の飼育の経験を継続することで(パンダの飼育)技術は維持できるものと考えます」
と説明する。
パンダがいなくなった2~6月の入園者数は、前年同期よりも29万268人減少した。この数字を聞いた二木さんは、「街のお客さんは減った感じはしないです。外国人客が多くて(日本人客が減っても)カバーしちゃって感覚がマヒしちゃっている」と話し、活気が失われた2008年からのゼロパンダの時とは状況が違うという。
それでも、
「ずっと築き上げてきたものが壊されて本当は腸が煮えくり返っているよ。震災も乗り越えて大事にしてきた上野動物園のパンダだ。『パンダのもり』も作ってもらって、いよいよこれからだっていうときに……」
と悔しさを隠さない。話すうちに目は赤くなっていった。
「でもわかるでしょ。手の出しようがない。お金を出しているのに東京都ではどうにもならないんだから。日中関係で何か(変化の)きっかけが起きるのを期待して待ってます。じゃあまた交流しましょう、っていう時に付き添ってくるのはパンダなんです」(二木さん)
残された「パンダのもり」は、一部にレッサーパンダが入居しているが大部分はジャイアントパンダが再び来る日を待って空けられている。“住民”が戻る日はいつになるのだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

