被災しても「あっはっは」と豪快に笑った住職
境内には手足を病気や怪我から守る足手荒神や約300年にわたり境内に立ってきた仁王像など様々な仏や神がまつられている。地震の被害を見直すと、改めて深刻さが伝わってくる。
「本堂も屋根が落ちて倒壊してしまいました。本堂は八代市の市指定有形文化財です。国重文の薬師如来立像、県重文の聖観世音菩薩立像もさっき言った通りたぶんダメでしょう。あそこで倒れている石仏の仁王像も、延宝3(1675)年に作られたもの。他にも色々なところが倒壊しています。
本堂は修理の補助金は出ても市の場合は最高70万円です。正確には見積りを取らないとわかりませんが、昭和54(1979)年に屋根のふき替えをした時はそれだけで約800万円くらいかかっていますからね。たぶん解体費用だけでもけっこうかかるでしょうからね。
国重文と県重文はそれぞれ保険に入っているので国と県が7割負担してくれると思います。ただ、それでも全然足りないでしょうから、寺を再開できるかどうかわからないですね」
甚大な被害に遭いながらも、家族が無事だったことを前向きに受け止める有田さん。その言葉には、長年寺を守ってきた住職としての強さがにじむ。
「足手荒神」に守られた住職の話は、講話のように心に響いた。記者が「辛い体験談のはずなのに、聞いているうちにポジティブな気持ちになってきました」と伝えると、有田さんは『あっはっは』と豪快に笑った。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

