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小学校の校庭にスケートパーク!? 廃校から生まれた“新しい居場所”

小学校の校庭にスケートパーク!? 廃校から生まれた“新しい居場所”

少子高齢化が進み、全国で増え続ける「廃校」。維持管理の負担から「負の遺産」と捉えられがちな旧校舎だが、千葉県にある、統合により移転した「長南町立長南小学校」旧校地を訪れると、その常識は心地よく裏切られる。

ここは現在、全国に21拠点ある『おかえり集学校』プロジェクトの拠点のひとつ「長南集学校(ちょうなんしゅうがっこう)」に生まれ変わった。

『おかえり集学校』とは、廃校を活用して再び人々の集う場所を目指しながら、IT機器を役立て暮らしを豊かにするIT交流施設のプロジェクトだ。

この「長南集学校」が行政(町)と協力し、指定管理者としてスケートパークの運営に携わっている。かつて子どもたちが駆け回った校庭のど真ん中に鎮座する、コンクリートで舗装された本格的なスケートパークの周りでは、若者たちの笑い声が響き渡っている。廃校という空間が、いかにして若者たちの熱気あふれる“居場所”へと生まれ変わったのか。スポーツがもたらす地域再生の新たなモデルに迫る。

校庭に響く滑走音。異色の光景はどう生まれたか

校門をくぐると、懐かしい校舎の目の前に広がる巨大なスケートパーク photo by Yoshio Yoshida

校門をくぐると、目を疑うような光景が広がっている。学び場としての温もりを残す懐かしい校舎を背景に、本格的なセクション(技を仕掛ける構造物)が並ぶスケートパークが、校庭の大部分を占領するようにズドンと配置されているのだ。過疎化が進む町に、なぜこのような本格的な若者カルチャーの拠点が生まれたのか。

そこには、地域のスポーツ振興を推進する長南町と、『おかえり集学校』プロジェクトの主催でIT機器のリユース事業を手掛ける一般社団法人おかえり集学校との異色のコラボレーションがあった。

かつての「長南町立長南小学校」の面影をそのまま残す正門。ここが新たなコミュニティの入り口となっている
photo by Yoshio Yoshida

一般社団法人おかえり集学校で本プロジェクトに取り組み、「IT交流施設(長南集学校)」の校長も務める鈴木陽子さんは、スケートパーク誕生の経緯をこう説明する。

「私たちが『おかえり集学校』として任されているのは基本的に校舎の管理で、グラウンドと体育館は今も長南町の管轄です。実は、本格的なパークができる前から、地元の方々がこの場所でスケートボードを楽しんでいたんです。それを見た町が『それなら、しっかりとした公共のスケートパークを作ろう』と動いたのが始まりでした。現在は、町が設置したパークの日々の運営窓口を私たちが委託されている形です」

行政が主導する「校庭のスポーツ振興」と、民間のIT企業が担う「校舎の再生」。決して交わることのなかったはずの二つの思惑が、偶然にも同じ敷地内で手を取り合ったことで、過疎の町に突如として活気あふれるスケートパークが産声を上げたのである。

「学校」だからこその安心感。若者が集う新たな居場所

大人のスケーターのダイナミックな滑りに目を輝かせる子どもたち。ここでは世代やレベルを超えた交流も自然と生まれている
photo by Yoshio Yoshida

この異色のスケートパークは、現在多様な若者たちを惹きつけるハブとなっている。かつての「昇降口」のスペースを改装し、週末限定のプロショップを営むオーナーの河野克彦さんは、人が集まる理由を「学校という場所の特性」にあると指摘する。

歴史ある小学校の看板と、スケートショップの看板が並ぶ異色の外観。かつての昇降口を改装した店舗は「学校」ならではの親しみやすさを醸し出し、訪れる人を温かく迎え入れている
photo by Yoshio Yoshida

「スケートパークは騒音問題などで倉庫街などの僻地に作られることも多く、一般の方はどうしても入りづらい雰囲気があります。でもここは学校ですから、誰もが親しみを持っています。学校へ行こうよ!という感覚で来られるので、スケーター以外の方や一般の方にもスッと受け入れられやすいんです」

実際、施設を訪れる層は幅広い。プロスケーターが突然フラッと練習に訪れることもあれば、隣接する市からやってきたという初心者親子も「ここは路面もスムーズで練習しやすい。校庭で開放感があって楽しいです」と気軽に通ってくる。 「不良の遊び」といった偏見を持たれることもあったストリートカルチャーだが、「学校」という器に収まることで敷居が下がり、誰もがのびのびとスポーツに打ち込める健全な居場所として機能しているのだ。

配信元: パラサポWEB

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