・中国人に話を聞いてみた
例えば、中国では日本のグルメ都市と言えば名古屋であり、それが高じて「名古屋=照り焼き味の唐揚げ」みたいなイメージが定着しているとか。他店の別商品で名古屋被りしている状況から考えると、名古屋とつけることでそれくらいの箔がつくからと考えるのが自然である。日本人である私はそう考えたんだけど……
これは所詮日本人の論法であった。中国人に話を聞いてみたところ想定外の回答が返ってきたのである。聞いたのは出身地域の違う4人の中国人。
1人目(東北)「理由あるんですかね? パンに北海道は分かりますが、名古屋って北海道ほど有名じゃないですし。考えたことないです」
2人目(大連)「『名古屋』と書かれていることに特別な理由はないと思う。北海道と同じで日本の有名な都市だから使ってるだけじゃない?」
3人目(成都)「北海道と同様に、名古屋は誰もが日本で有名な都市であることを知ってるから。名古屋と中国の南京市は友好都市だしね」
──この3人は「名古屋という名前に理由があるわけではない」という回答。名古屋と南京が友好都市なことは初めて知ったけど、私が行ったのは北京と大同だから関係があるのかは不明だ。
・理由がない理由
現地感覚で名古屋という名前にブランド力を感じていないことは分かったのだが、特別理由がないならなぜ名古屋で被るのか? 4人目の方が、この理由のなさについて解像度の高い回答をしてくれた。
4人目(江西省)「まず、コンビニというモノは元々中国には存在しなかったです。経済が発展して、コンビニが中国に入ってきて、昔の街と比べて、店内がキレイ、売ってるものがおしゃれ、値段が割高というイメージがあります。(もちろん、今はコンビニが普通な存在になっている)
なので、中国のコンビニの商品名を決める時には、外国の地名と絡めるのが、よりオシャレ感を出すための手段の一つです。「名古屋」は正直中国ではそんなに有名な都市ではないけど、日本っぽい地名、オシャレ感がある地名(実際どういう都市なのか、多分商品名つけた方はぜんぜん知らないと思います)で、採用されたと思います。
逆の例はたとえば、福岡ですね(福岡ごめんなさいw)。中国では、福岡は名古屋よりぜんぜん有名ですが、「福岡」という漢字から受ける雰囲気は中国人から見るとオシャレじゃないので、採用されないと思います。
ちなみに、ローソンの画像に写ってる明洞も韓国の地名です。ミョンドン。名古屋と同じ効果ですね。オシャレ感を出すため。
結論として、別に有名な都市じゃなくても、商品と関係なくても、都市名が外国っぽい、オシャレであれば、コンビニの商品名として採用されると思いますー」
──へー! 名古屋という漢字が外国っぽくオシャレというのは日本人では気づけない目線である。日本で言うと、サイゼリヤの『ミラノ風ドリア』とかお菓子の『シベリア』みたいな効果なのかもしれない。
感覚の面白さ。そこには確かに理由はない。そんなわけで論理ではなくセンスだった中国で出会う「名古屋」の謎。世界は論理だけでは回ってないものだ。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
