インフレを背景に消費者意識は変わるのか?
ただし、時代が変わったことも確かだ。
西友がアメリカのウォルマートの子会社になったのが2005年だが、総合スーパーの苦戦は2000年代に入ってから鮮明になった。このころはデフレで、物価が下がっていた時期である。専門店の良質な商品を安く手に入れられる時代だったのだ。
今はインフレで、急速な物価高が進行している。コンビニやスーパーなどよりも食料品が安く手に入るウエルシアに足を運び、買いだめなどを目的として日用品のついで買いをする習慣が定着する可能性もある。
ドラッグストアは時代を背景に進化を遂げているのだ。
商品カテゴリで強みを磨いているのがマツキヨココカラ&カンパニーだ。化粧品の強化を図っており、美容のカテゴリーではプライベートブランドの開発を精力的に進めている。化粧品特化型店舗も出店した。
ドラッグストア各社は、それぞれ異なる強みを磨きながらインフレ時代の消費者を取り込もうとしている。ウエルシアの「ドラッグ&フード型店舗」が成功するかどうかは、食品売場を広げられるかではなく、食品を入り口として医薬品や化粧品、日用品の購入へとつなげられるかにかかっている。
インフレを背景に消費者の買い物行動が変わるのか。その答えは、今後のドラッグストア業界全体の勢力図を左右することになりそうだ。
取材・文/不破聡

