撮影現場に小説の中の人たちがいる
──冒頭で打ち上げの話が出ましたが、『水滸伝』の撮影が終わりました。おつかれさまでした。撮影を終えてどうでしたか。
しんどかったですね。原作も長いけど、撮影も時間がかかりました。
──夏と冬、両方のパートがありましたが、どちらが大変でしたか。
夏のパートでは、走ってる馬から飛び降りて、そのまま立ち回りをするというアクションシーンをやりました。
この時は真夏で、脳みそも沸騰してるような状態でした。僕も意識が朦朧としていましたが、撮影クルーも暑さでとろーんと溶け出しそうな表情だったので、「やばい、これは一発で決めないと何人か倒れる」そう思うくらいの緊張感がありました。
冬パートはスタジオだったのでロケよりはマシだったと思いますが、それでも寒かった。外でやったら死んでました(笑)。
──衣装部さん、メイクさんも大変だったと聞きました。
大変だったと思います。 僕は史進をロン毛でやらせていただいたんですけど、原作を読んでもそういう描写はないんです。
──北方先生は、あえて書かない、読者の想像に任せるとおっしゃっています。
なるほど、そうなんですね。ドラマの史進はロン毛で、動くたびに髪の毛が口の中へ入ってくる。それがしょっぱいんですよ、汗で。
衣装のほうで言うと、史進は上は真っ赤な衣装を着ているんですが、下は真っ白いパンツ。動けば動くほど泥だらけになって、パンツが白から茶色になっていく。パンツに関しては二、三着、だめにしました。史進が使う棒も二、三回、折っています。ヘアメイク、衣装、小道具、みんな対応するのが大変だったと思います。
──それだけ激しいアクションシーンだったということですよね。
撮影全体を通しての率直な感想は「アクションってしんどいな」。本当に死ぬ思いでやりました。
でも、撮影に行くのは楽しかったんです。原作小説を読むのと並行して撮影していたので、撮影現場に行くと、小説の中の人たちがいる。それってすごいことだなと思いました。脚本には書いていないような情報が原作にはあるので、自分の出演シーンはもちろん、出演していないシーンも、それがどんなふうに映像に反映されているのかが気になります。打ち上げでティーザー映像を観たんですが、めっちゃくちゃ格好よかった。完成したドラマを観るのが楽しみです。
聞き手・構成/タカザワケンジ
北方謙三「大水滸伝」シリーズ公式サイト
https://lp.shueisha.co.jp/dai-suiko/

