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「スタジオジブリ」二大巨匠が描いた「戦争」の決定的な違いに「奥が深すぎる…」

「スタジオジブリ」二大巨匠が描いた「戦争」の決定的な違いに「奥が深すぎる…」


『火垂るの墓』(C)野坂昭如/新潮社, 1988

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「戦争」の捉え方異なる2本の映画

 夏が来れば思い出す。そんな劇場アニメのひとつが、スタジオジブリ制作の『火垂るの墓』(1988年)でしょう。直木賞作家の野坂昭如氏の短編小説を原作に、9歳のときに岡山空襲を体験した高畑勲監督が焼夷弾の凄まじさ、戦争によって人間関係が変わっていく様子をリアリティたっぷりに描いています。

 Netflixは2025年7月から11月まで『火垂るの墓』を期間限定で配信し、2026年も7月15日から配信しています。「子供が観たらトラウマになりそう」という声もある『火垂るの墓』ですが、劇場公開時は宮崎駿監督の『となりのトトロ』との2本立て上映でした。『となりのトトロ』のサツキは、『火垂るの墓』の節子と同年生まれであることが知られています。

 太平洋戦争末期から終戦直後の過酷な現実が『火垂るの墓』では描かれ、『となりのトトロ』では戦後復興期の穏やかな日常が描かれているわけです。

 スタジオジブリの二大巨匠、高畑監督と宮崎監督は「戦争」をそれぞれどう描いたのかを考察してみましょう。

時代によって評価が変わる『火垂るの墓』

 野坂氏の戦争体験をモチーフにした『火垂るの墓』は、空襲によって母親と家を失った清太と節子の兄妹が、親戚宅に身を寄せる物語です。かつては「金曜ロードショー」(日本テレビ系)で8月になるとたびたび放送され、清太と節子が迎える悲しい結末に多くの視聴者が涙を流しました。

 劇場公開された1980年代、「金ロー」でヘビロテされていた1990年代は、まだ多くの戦争体験者がいましたが、今では戦争を直接体験した世代は少なくなっています。『火垂るの墓』の評価も、以前とはかなり変わってきています。

 SNSなどでは、「清太がうまく立ち回っていれば、節子は死なずに済んだのでは」という声が目立つようになってきました。清太と節子を「疫病神」扱いする叔母さんに対しても「叔母さんは悪くない」と擁護する声が増えているように感じます。

 もともと高畑監督は、清太を完全無欠の主人公としては設定していません。海軍将校である父親と優しい母親から愛情を注がれた、ごく普通の14歳の少年です。叔母さんも決して悪人ではなく、自分たち家族を第一に考える現実的な女性として描いています。

 SNS上の声にも一理あります。そして、そうした評価が変わることこそが『火垂るの墓』の注目すべき点なのかもしれません。

 高畑監督が『火垂るの墓』で描いた本当の恐怖は、戦争そのものよりも、戦争によって人間の対応や社会状況が大きく変わっていくことだと思うのです。社会や人間が戦局次第でコロっと変わってしまうことを、まだ14歳の清太は受け入れることができなかったのではないでしょうか。

 清太への批判が聞かれるようになった現代は、『火垂るの墓』が公開された時代から日本を取り巻く空気がずいぶんと変わったことを感じさせます。


『風立ちぬ』(C)2013 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDHDMTK

配信元: マグミクス

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