「人のいない原生林」というイメージが変わる?
さらに興味深いのが、人々が単に森林の中で暮らしていただけではなかったかもしれない点です。遺跡からはトウモロコシやカボチャの栽培が確認され、周辺ではキャッサバ、サツマイモ、唐辛子、豆、ピーナッツなども育てられていた可能性があるとのことです。
道路を造り、大規模な土木工事を行い、農作物を育てる。つまりこの地域の森林は、人間の影響をほとんど受けないまま残されていたのではなく、長い時間をかけて人々に利用、管理されていた可能性があるのです。
もっとも、今回の発見から「アマゾン全体が巨大文明によって造り替えられていた」と考えられるかというと、そうではないようです。今回推定されたアクイリー文化圏は、大アマゾン地域の3%未満。研究者らは、別の地域で同様の遺跡が見つかるかどうかが重要だとしています。
それでも、密林の下には、まだ知られていない人間の営みの痕跡が眠っているのかもしれません。“手つかずの大自然”と思われてきた景色の一部が、実は1000年以上前の人々が暮らし、手を加えてきた景観だったとすれば、アマゾンを見る目そのものが変わってきそうです。
なお、この研究結果は2026年7月29日に学術誌『Nature』に掲載されました。
参照
Nature「Over 20,000 precolonial earthworks in the Southwest Amazonia」
University of Helsinki「In the ancient Amazon, the civilization of millions of people flourished」
PHYS ORG「An ancient civilization of millions once flourished in the Amazon」

