大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)は、若手から中堅まで、もっとも勢いのある芸人たちが毎日しのぎを削る、笑いの最前線です。この舞台で、芸人が自分たちの世界観を100%詰め込み、ライブ構成、ネタ、映像に至るまで魂を燃やす公演――それが“単独ライブ”。ふだんの寄席やライブでは見られない挑戦や仕掛けが詰め込まれ、芸人のもっとも濃い“今”と“本気”を見ることができます。
この8月に、そんなマンゲキで単独ライブを開催するのが、ピン芸人・やまぐちたけし、マーメイド(田村境佑、テクニック。)という2組です。今回はわたくし、芸人ライターとして活動する茜250cc・善家カズマサが、NSC(吉本総合芸能学院)大阪の同期でもあるやまぐちを直撃インタビュー! この記事を読んでから単独ライブに行くと、10倍楽しめること間違いなしです!

やまぐちたけしはNSC大阪35期生で、スタートから現在まで一貫してピン芸人として歩み、マンゲキでは芸歴8年目以上の“極メンバー”として活動しています。『R-1グランプリ』では2023年と2024年に準決勝に進出する実力派で、最近も『Yoshimoto Comedy Night OWARAI』で全編英語のネタを披露したり、YouTubeで“広島東洋カープ応援チャンネル”を開設したりするなど幅広いジャンルで活躍しています。
漫才劇場でしかできないことにこだわりたい
――今年の単独ライブは年イチの開催で、しかも8月っていうのは初めてやと思うんやけど、その理由は?
昨年は3カ月に1回のペースで単独ライブをしたんやけど、新ネタ作りに追われて「ネタがブラッシュアップできていないな」っていう印象が自分のなかにあって。だから今年は年1回の開催にすることにしました。あと実は、ピン芸人が絶対に単独ライブをやってはいけないタイミングっていうのが、いくつかあるのよ。
――ピン芸人が絶対に単独をやってはいけないタイミング?
やまぐち 例えば12月なら、『あなたピン芸人だから、M-1グランプリ関係ないでしょ?』ってM-1決勝のウラで単独をすることになったりとか。10月だったらキングオブコント決勝のウラでやったりとか。そういうカブりを避けるのなら、夏や! ということで8月開催で希望を出したら、今回は(漫才イベントの)『Red Bullサンパチ』とカブりました(笑)。

――カブってるね~(笑)。しかも今回の『Red Bullサンパチ』は最終回で、いつもと違う大阪城音楽堂での開催やから、見にきたい方もたくさん……。
おい、そっちに誘導するようなこと言うなよ!(笑) 僕の単独ライブは配信もありますからね! それに、今回は漫才劇場でしかできないことにこだわろうと思ってて。年1回開催にしたからこそ、時間をかけてこだわったものをお届けしようと思ってます! 劇場に来てくださった方には最後の最後までお楽しみいただける内容になってますので、ぜひ劇場に来てください!
R-1王者・田津原理音からの一言で決めたこと
――いままでの単独ライブとの違い、または、いままでの単独ライブから引き継いでいる部分はありますか?
いつも単独ライブをするってなったら、ゲストなしでやってるんやけど
――あー、ひとりぼっちで。
ぼっちって言うな! たった1人で……。いや違うな……孤立してやっとんねん!
――孤立も言い方悪いやろ!(笑)
なんかカッコイイ言い方ないか? 1人で戦っているみたいな。
――「孤高の」みたいな?
そう! 孤高の戦士やねん! デカく太字で書いておいてくれ! だから全部1人でやり切りますよ、っていう部分は過去の単独ライブから引き継いでいます。あと、ネタは全種類やりたいんよ。漫談、フリップ、コント、モニターを使ったネタ。あと単独で絶対やっているのが“広島ネタ”。広島出身やから、カープとかサンフレッチェとか広島についてのネタは毎回やってるなあ。

――逆に、いままでの単独とは違う部分はあったりする?
それで言うと、次のR-1はフリップネタでいく、っていうのは、もう決めてるから。
――もう!?(R-1グランプリの予選は年明け1月から)
うん。やから、いつもよりはフリップネタは多めになるかなあ。この単独でいいフリップネタができてくれたらなあ、っていう気持ちはあるかな。
――わかるわかる。賞レースに向けて、いいネタできてくれ!って気持ちはみんな持っていると思う。でも、なんでもうR-1はフリップで戦うって決めたん? かなり早くない?
前回のR-1グランプリの準決勝でフリップネタをしている人って2人ぐらいしかいなくて、決勝は0人やったのね。その背景もあるし、親友である田津原理音(R-1グランプリ2023王者)から「お前にはフリップしかない」「お前の古臭さにはフリップが合っている」って言われて、じゃあフリップやろうって決めました。だから今回の単独ライブではフリップネタに力を入れて、いつもよりダイナミックなネタができたらなと思っています。
――アツいねえ。いいねえ。同期のピン芸人同士の絆。
「このままR-1グランプリに持っていくよ!」っていうネタを作りたいと思っています!
