アフレコで緻密に確認していた「これは嘘ですよね?」
――台本を読んで物語を追う東山さん個人の目線と、くれあの正体が25話で判明する、るるかとしての2つの心境があったと思うのですが、その点はいかがでしたか
東山:「キュアエクレールの正体は誰!?」キャンペーンのなかで、それぞれの候補者のお話がありました。そのなかでちょっとずつ情報が開示されていくんですよね。「記憶を失っている」「香りがキーになっているのではないか」とか。そのなかで、キュアアルカナ・シャドウの発言にちょっと嘘が混じっていたりするんです。
大きな物語の流れは最初に伺っていましたが、細かいセリフは台本を見て初めて知るので、「私は誰がキュアエクレールになったのかも知らない」というセリフのときには「ん? これは……かく乱しようとしている?」となりました。そこをシリーズディレクターの川崎さんと1個ずつ確認していきました。
「多分こうだろうな」と自分が知った気にならずに、「ちょっとごめんなさい、1個ずつ確認していきます」と指を指しながら「これはこういう気持ちですよね? これは嘘ですよね?」「これは苦しいんですよね? これは何気なく言ってますよね? OKです!」って感じで、毎回作戦会議をしていました。
キャストの方々に「また東山ちゃん話してるよ~」と言われる“アルカナタイム”でしたね。きちんと確認しないと、キュアアルカナ・シャドウがミスリードしたい部分と、私が間違えて解釈してしまう部分が混ざってしまうとまずいなと思ったんです。皆さんにしっかり謎解きをしていただくという意味でも、緻密に確認していました。
「知ってるんでしょ?」 秘密を守り続けた舞台裏
――東山さんはプリキュアとして演じ続けるなかで、キュアエクレールの正体を隠さなければいけない立場でしたが、プレッシャーはありましたか
東山:そうですね、梶さんからは「知ってるんでしょ~?」と聞かれて、「まぁまぁまぁ……」みたいな(笑)。若干白目向きながらでしたけど、無事隠しきりました。
長谷川:信用されなくなってきてますもんね、今ね。
東山:ほんとうにそうだよね(笑)。
長谷川:この先の展開の話をよくみんなでするんですよ。この前も「これってなんだろう」って謎がでたときに、梶さんから「もう聞いてるの?」と聞かれたんです。本当に知らないので「知らないです」って言ったら、「嘘ついてる!」って言われて(笑)。「信じられない、知ってるんでしょ!」って(笑)。
東山:その後すぐに「東山ちゃんは知ってる?」って聞かれて無言になったら「知ってるんだ、また俺だけ知らないんだ、まただよ~!」って言われました(笑)。
長谷川:信用されなくなってきました(笑)。
東山:本当に知らないんですって!(笑)。
長谷川:本当に知らないのに(笑)。もう全てを疑ってるんですよ、梶さんは。
東山:人間不信になってる(笑)。
――キュアエクレールの変身の口上シーンにもこだわりがあるかと思いますが、何かディレクションはありましたか?
長谷川:「こういう風に言ってほしい」という指示はそこまでありませんでした。変身シーンがあるみなさんそうだと思うのですが、変身シーンまでの気持ちの持っていきかたがすごく難しいことを、最近やっと分かったんです。
これまではプリキュアの皆さんの変身シーンをただ楽しく「かわいい」「かっこいい」と思いながら見ていたのですが、自分がやるとなると、変身までの流れが回によって違うので、「オープン!」の言い方がどういうテンション感でやればいいかなど、「こんなに考えなきゃいけないんだ」と初めて実感しました。
変身シーンは毎回同じなので映像から逸れすぎないように、ストーリーの流れを汲んで演技しなければいけないんだ、と1発目で感じたんです。最初は気合も入っていて、キュアエクレールも「やっと復活して倒すぞ!」とグッと気持ちが入るタイミングでの変身だったので。初めての変身のときに、難しさを痛感しました。
――もう慣れたんでしょうか?
東山:(即答で長谷川さんの代わりに)慣れました!
長谷川:本当ですか!?(笑) 最初よりは……!
東山:バッチリだと思います!
長谷川:そうですかね(笑)。きらめきタイムは変身バンクよりは自由度が高いのですが、凛々しいときもあれば、優雅に華やかに演じるときもあるので、そこを見ていただけるとうれしいな、と思います。

