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【『奪還のロゼ』放送中】“成熟と受容の時代”に、反逆と抵抗の物語『コードギアス』は何を見せてくれるのか? <連載:地球はエンタメでまわってる>

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今の時代、“ヒーローによる勧善懲悪”という「王道」にリアリティはあるのか?

 ここでも「反逆」というテーマは変わっていません。ただ、そこはもちろん『コードギアス』シリーズ、単純に体制転覆を是とするだけのシンプルなストーリーには終始しません。ギアスの力と屈強な〈ナイトメア・フレーム〉を持つ謎の兄弟の話として始まったかに見えた物語は、すぐに二転三転し、複雑に進展していきます。

 視聴者の推測を常に軽々と裏切り、予想もつかないところへ連れていくストーリーテリングは、まさに『コードギアス』ならでは。そして、ここにあるものはまさに「ひとは世界を変えることができる」という「覚悟」であり「希望」です。20年を経てなお、『コードギアス』は変わっていない――そう感じさせる強靭なバックボーンが、ここにはあります。

 ですが、問題なのは、そういった希望的な世界観がどう受け取られるのか。もし、そういった世界変革のヴィジョンが非現実的なファンタジーに過ぎないと見られたなら、『奪還のロゼ』が高い評価を得ることはないのではないでしょうか。

 ここで私は、最近大きな話題となったネットフリックスのアニメ映画『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』を思い出します。手塚治虫の名作マンガ『リボンの騎士』を「原案」とし、さまざまなオマージュを捧げたこの作品は、賛否両論を巻き起こしました。

 その原因を一つに絞り切ることはできないでしょうが、私はそもそも現代において「1人のヒーローが悪を倒し、世界を変革する」というヴィジョンに、リアリティがなかったのではないかと考えます。

 「ひとは世界を変えることができる」――。その認識には確かに希望があるでしょう。しかし、世界が限りなく複雑に入り組んだ問題を抱える今、そういった問題を力で解決しようとするストーリーに、迫真性が感じ取れなくなっているのではないか。そういうふうに感じられるわけです。実際のところ、『リボンヒーロー』は、色々な社会問題を組み込んだ設定を、あまりにシンプルなヒーローストーリーで一刀両断にした印象があります。

 それ自体は当然のことながら、大きなカタルシスを伴う王道の物語です。ですが、そのクラシックな「王道」が、いまの時代、必ずしも歓迎されないのではないかと考えるのです。

『コードギアス』は、今の時代にどう映るのか?

 そして、その意味で『コードギアス』的な反乱の物語も、やや時代のメインストリームからズレているのかもしれません。

 もっとも、そうは言っても「王道」はやはり強い。そして、『ちいかわ』的、あるいは『ヤニねこ』的な、「いま、目の前にあるちいさな課題」にフォーカスするほうが、結果としてしばしば物語をストップさせてしまうのに対し、『コードギアス』の方法論はどこまでも過激に物語を前進させる。どちらがより広く人気を得られるやり方であるのかは、はっきりとは断定しがたいところです。

 そういうわけなので、『奪還のロゼ』がこの先、どこまで話題をさらうことになるのか注目して見ていきたいと思います。

 また、マンガ『新潔のアルマリア』などのスピンオフも引き続き登場していることもあり、『コードギアス』シリーズはまだまだ続いていくことと思われます。21世紀初頭から続くこの物語が、新時代においてどこまで続いていくことになるのか、いちファンとして楽しみな限りとしか言いようがありません。

配信元: ねとらぼ

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