・海抜251mの眺め
そして785段目、御本宮に到着!
体力を絞り切ったせいか、後光が差しているように見えた。そして振り返って、思わず声が出る。
絶景!
讃岐平野の町並みと田畑が一望でき、遠くには円錐形の山がいくつも連なっている。真夏の青空に白い積雲。ここまでの汗が全部回収されるような眺めだった。
御本宮前の広場も、想像していた「山頂」とはだいぶ違った。「金」マークの入った白い大型テントが張られ、支柱に沿って青いミスト用のホースが這っている。これが途中で案内があった、ミスト完備の休憩スポットなのだろう。
売店では「御神札(ごしんふだ)」や、いろんな種類のお守りなどが販売されている。
ふと気になった。ここで働いている人たちは、もしかしたら毎日この785段を登ってきているのだろうか? 聞いてみればよかったのだが、その時の私は自分の呼吸を整えるので精一杯だった。
そして、下山開始。
下りは登りに比べれば、いくらか楽だった。ただ最後のほうは水分を補給しないとキツかったし、膝も笑っていた。手すりのない石段を一段ずつ慎重に下りながら、私は入口の看板をようやく思い出す。あそこには、もう一行、こう書いてあったのだ。
「手すりが無い為、杖があると石段の上り下りが安全です」
なるほど、そういうことか。大げさどころか、あれは完全に正解だった。100円をケチっている場合ではまったくなかったのである。
何とかこんぴらさんを制覇し、こんぴら表参道を抜けたあたりでのこと。木枠の「こんぴら 観光案内図」があったので、自分の成果を振り返るように見ていた。
すると、衝撃の事実が!
えっ? 本宮の先が、まだあったの??
参道の線をたどると御本宮、その上に白峰神社、そしてはるか上方に単独で描かれた文字が見えた。「奥社 厳魂神社」。
公式サイトによると、御本宮が785段目なのに対し、奥社は1368段目。つまり、あそこからさらに583段も上である。衝撃の事実だが、たとえ知っていたとしてもチャレンジはできなかっただろう。次は涼しい季節に、ちゃんと杖を借りてから奥社を目指したいと思った次第だ。
