現代で詩を紡ぐ……その戸惑いの露を払う
その中でも、「現代詩とポエムに違いはあるのか?」という考察や、明治時代から現代まで、社会に詩が浸透していく様を織り込んだマンガなどには、詩に興味を持ち始めた人がなかなか俯瞰しにくい、“ふまえておくといいこと”が盛り込まれています。そこには、現代詩ってこれでいいのかな? なんて足を止めて惑うことがないように、初心者の行く道の露をそっと払ってくれるような思いやりを感じました。
そして掲載された詩は、それぞれの書き手の方が持つ世界の見方や、心の内をまっすぐに伝える力があります。この、ダイレクトな詩たちと、コラムやマンガが合わさって、初心者が顔を上げたときに先輩たちの背中がすぐ近くにあるような、そんな寄り添う心強さがにじみます。
土地の気配でつながる、福岡の魅力
はじめての人たちに向けた顔と、もうひとつ。本誌には、福岡という土地に目を向けた顔もあります。詩作品の端々から、福岡の風景や暮らしがうかがえるとともに、近年の福岡における文芸同人誌の動きがまとめられているのも、この土地で創作活動がどのように展開していったかをたどることができ、とても興味深いです。
1年に1冊の発行を予定しており、2026年の秋に第2号が発行予定とのこと。詩にまっすぐ向き合う姿勢がみずみずしく、次号も楽しみです。

