作業員の兄は「死んでしまったんだから、取り返しがつかない…」
会見では「中継見張り員と列車見張り員が意思疎通ができていなかったら、作業指揮者は本来はどういう対応を取るべきなのか」との質問が出された。
東武鉄道は「作業指揮者は、列車見張り員同士がしっかり意思疎通が確認できる場所に配置されているということを確認した上でないと作業自身はしてはいけないことになる」と答えている。
ただ、東武は危険な場所での「作業」と「移動」の安全基準は違い、「何らかの退避ができることを確認できるような状況での移動中であれば、中継見張りがついていなくても問題はない」(同)と説明。
現場で4人が作業中だったのか移動中だったのかは分からないが、「移動中ですぐに列車が来たことを確認をして逃げられるような状況であれば、中継見張り員が配置されていなくても問題ないと考えています」とも主張した。
しかし、移動中だったとしても実際に退避ができないまま列車が突っ込んでおり、その移動を認めた責任者の判断の適否が問われることは避けられない。そしてEさんは東武建設内では作業指揮者の男性よりも上の立場にいたと東武鉄道が説明したことから、現場の実際の責任者は誰だったのかという問題も浮上しそうだ。
亡くなった作業員、Aさんの兄Bさん(74)は取材に対し、「なんでちゃんとしなかったんだろうって思う。死んでしまったんだから、取り返しがつかない…」と話し、定められた安全対策さえ取られていれば弟は死なずに済んだと悔しがった。
東武鉄道の駅には、同社の“顔”ともいえるスペーシアX特急が運行開始から3年を迎えたことを誇る看板が掲げられている。華やかさと快適さをうたうその列車の足元で作業員の命が消えた。
栃木県警は23日、業務上過失致死容疑で東武建設を家宅捜索し、安全管理マニュアルや作業に関する契約書、無線機などを押収した。原因の究明と徹底した再発防止策の確立が最優先だろう。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

