延命治療はどこから?延命治療で後悔しない準備と進め方を詳しく解説

3.延命治療の入院費と高額療養費制度

延命治療は、長期間の入院になることが多いです。

そのため、継続的に医療費がかかることを認識しておく必要があります。

基本的には医療保険が適用され、自己負担額は1割から3割になります。

また、どのような延命措置を施すかによって負担額も異なります。

3-1. 人工呼吸

3割自己負担の場合での終末期の入院治療平均額は、1日あたり約3万円から10万円です。

人工呼吸の費用は、どのような病気で入院するか、また何日間入院するかによって大幅に異なります。

死亡退院の場合では、平均の入院日数が19.1日です。

​​http://www6.plala.or.jp/brainx/elcost.htm

3-2. 人工栄養

人工栄養の費用の内訳は、胃ろう造設と胃ろう交換、人工栄養剤に分けられます。

胃ろう造設には約10万円がかかります。

そのためには1週間程度の入院が必要で、10万円前後かかります。

胃ろうの交換には、約3万円ほど、人工栄養剤には、1ヶ月あたり2万円から3万5千円かかります。

3-3. 人工透析

延命治療で人工透析を行う場合の費用は、1ヶ月あたり30万円から50万円かかります。

ただし、人工透析の主な対象者は慢性腎不全の方です。

慢性腎不全の方は、年収により自己負担額が異なります。

年収が770万円未満の方は月に1万円、770万円以上の方は月に2万円が自己負担額です。

※慢性腎不全の場合、障害者の制度が適用になります。

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4.延命治療のメリット・デメリット

4-1. メリット

4-1-1. 家族の負担が軽減される

延命治療を行う場合は、基本的に入院になります。

在宅で治療を行っていた場合に必要だった、見守りや服薬管理等の負担を軽減できます。

4-1-2. 最期に向けた準備ができる

延命治療を施さなければ、ご本人はすぐに命を維持できなくなります。

そこで延命治療を施すことで、最期に向けた準備の時間を設けられます。

4-2. デメリット

4-2-1. 本人の意思が尊重されないことも

急な事故や病気の場合、ご本人と意思疎通が測れない可能性もあります。

そのようなとき、本人の意思とは無関係に延命治療が施される場合もあります。

たとえば、交通事故後に家族がとっさの判断で人工呼吸器を繋いでしまうなどのケースがあげられます。

4-2-2. 医療費負担が大きくなる

延命治療は、継続的に施す治療です。

上記の通り、月々の医療負担額は大きくなります。

また、いつまで延命治療の医療費がかかるかわからないという点も不安なところです。

4-2-3. 家族の精神的負担になる場合もある

延命治療について、ご本人と話し合っていなかった場合や、気が動転してご本人の意思とは無関係に延命治療を施してしまった場合、家族の精神的な負担になる可能性もあります。

また、家族で延命治療の継続をやめると判断した場合にも、精神的な負担が大きいでしょう。