よく見え過ぎて慣れるまでに1週間

初めに右目、1週間後に左目の手術を受けましたが、不安だった閉じ込められるといった焦りも起きずにひと安心。手術は点眼麻酔で、術中も術後も痛みは全くありませんでした。

手術の前後2週間はコンタクトレンズが使えません。それで術後のために、片方だけレンズを入れたメガネを作り、準備していたのですが、そんなものは必要ありませんでした。

なぜなら裸眼でも、ものすごくよく見えたからです。クッキリと見えるだけでなく、色まで鮮やかになりました。部屋の壁紙や、壁に掛かっている絵まで、「こういう色だったんだ!」と驚いたほどです。

術後、あまりによく見え過ぎて、慣れるまでは目が疲れて頭が痛くなることもありましたが、1週間ほどで慣れました。

多焦点レンズは、複数の焦点に合わせられるレンズです。私の場合は、手もと40cmと遠くに焦点を合わせてもらいました。これは、自分の生活習慣から焦点をどこに合わせるのが最適かを、手術前に担当医と話し合って決めたことです。ですから人によって、最適な焦点距離は異なると思います。

手術から2年経った今もよく見えています。メガネもコンタクトレンズも必要なくなりました。

私があまりにもよく見えるようになったので、「白内障になって手術を受けたい」と不謹慎なことをいう人がいるほど、私の周りの人たちも驚いています。

白内障の手術が不安で、躊躇していらっしゃるかたは少なくないと思います。その気持ちはとてもよくわかります。私自身の体験からいえるのは、何事もメリット、デメリットがあるということです。メリットのほうが大きいのなら、手術は受けたほうがいいのではないでしょうか。

また手術を決めたら、自分の生活習慣をよく把握して、レンズを決めることをお勧めします。

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白内障の手術は安全性が高く健康保険が適用
聖路加国際病院眼科医長 永井紀博

白内障の手術は安全性も高く、手術の適応があれば、お勧めできます。費用に関しては、最低で約1万5000円程度。これは健康保険が適用されるためです。多焦点レンズは国内で認可されている物とそうでない物があります。主治医とよく相談して、納得できる選択をしましょう。

この記事は『壮快』2022年7月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b605811.html