まずは食べたい。少期の記憶から生まれた“和・洋のいいとこどり”スイーツ『チーズケーキの練り切り』

中でも『かんたんなゆめ』が和菓子と洋菓子の垣根を超えるような素材の組み合わせで愛されるのは、寿里さん自身の思い出が発想の原点になっているから。

寿里さん「私の地元、宮崎県では『チーズ饅頭』が土産物として有名なんですが、同じ名前でも洋菓子使用と和菓子使用があるんです。うちの練り切りはこの『チーズ饅頭』からのアイディア。

地元では、”町のお菓子屋さん”が主流で、ケーキもお饅頭も売っていました。子供のころにおばあちゃんと一緒によく行って、目新しいものは無いけど2人とも笑顔になれた。そんな記憶が残っています」

洋菓子で和の素材を活かすように、和菓子の型で様々な素材を取り込みたいと始めた寿里さんの挑戦。『チーズケーキの練り切り』は日本酒やワイン、コーヒーと合わせても美味しい仕上がりです。

花弁に合わせて黒文字を入れるとぎっしりと詰まった餡の中を通ります。食べるとチーズケーキのような酸味に、上品な白あんの甘さが引く後味。中にはクリームチーズが入っていてほのかに香るレモンの酸味と交わります。強めのお酒と合わせてもぼやけないしっかりとした味わいです。

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まるでパレット上の絵具遊び。色と味のハーモニーで表す季節のコト・モノを乗せた和菓子3種盛り

今までにない和菓子の素材使いで人々を驚かせる『かんたんなゆめ』。未開拓のジャンルを開拓するためにひとつの基準としているのが“素材の色合い”なんだそう。


※季節によってラインナップは変更します

寿里さん「絵具でも白って調和されやすいですよね。新しい上生菓子を作る時の白餡が、私にとって絵具の白。そこにピスタチオやホワイトチョコレートを加えて今回のピスタチオ羊羹を作りました。試行錯誤をしてバランスの良いポイントを探してゆきます」

ドリンクとセットで提供される3つの和菓子。そのときの気分によって数種類の中から選ぶことができます。

中でも大人気なのがグレーの見た目がモダンな『くるくれ』。たっぷりと胡麻が練り込まれ、口に含むとはじけたように胡麻の香りが広がります。ナッツ入りのクッキー生地はメレンゲ菓子のように軽くてサクサク。挟んだクリームはしっとりとした舌触りと程よいくちどけで、バタークリームと餡子の良いとこ取りをしたような味わいです。

キラキラと輝くテクスチャーと、季節を表す見た目が視線を集める「栗の実」は、最も和菓子らしい味の印象。餡子の中には栗の甘露煮が入っていて、まるで栗狩りをしている気分です。栗の見た目に合わせて使用されたけしの実が芳ばしい風味をプラス。良い仕事をしています。
お酒と合わせれば淡麗な上生菓子の美味しさを感じる一品です。