世代別の資産形成の考え方と運用方法


資産形成
【画像出典元】「stock.adobe.com/takasu」

ここでは各年代別の資産形成の考え方と運用方法について解説していきます。

20代の資産形成の考え方と運用方法

・長期的な視点
20代からの資産形成は長期的な視点が求められます。長期的な計画を持って継続的な投資や貯蓄を行い、資産形成の第一歩を踏み出しましょう。

・貯金ができる収支のコントロール
多くの人にとって20代は社会人の始まりで、自分の給与での生活がスタートする時期でもあります。この世代ではどのような支出をしているか意識し、貯蓄ができるやりくりを行うことが重要です。まずは毎月1万円でも5000円でも良いので貯金を行い、貯金をしながら生活をするという習慣を身につけることが重要でしょう。

・投資に積極的に
少額で構わないので若いうちから投資をスタートするのが理想的です。NISAや、つみたてNISAなどの非課税制度を活用した投資信託の積み立てがおすすめです。

・リスクマネジメント
若いうちから積極的な投資を行う場合、リスク管理も重要です。リスクや収益性を見据えて投資を行わなければなりません。また貯蓄と投資のバランスを考え、割合は5対5程度にしましょう。

・自分への投資
20代のうちに将来の収入を増やすための能力を高めることが重要です。自分への投資として、資格取得やスキルアップのための費用を惜しまず投資することで、将来の収入を増やすことができそうです。

この時期に資産形成について学び、投資やマネーリテラシーの向上に努めることが、将来的にも大きなメリットを生むでしょう。

30代の資産形成の考え方と運用方法

・資産配分の見直し
20代から投資をスタートしていれば投資先の変更をしたり、投資と貯蓄のバランスを見直ししたりしても良いでしょう。また貯蓄しかしてこなかった人は、このタイミングで資産運用を始めても良いでしょう。

・積極的な貯蓄
前節と反対のことを言うようですが、30代は家庭を持つ人も多いため、家庭の将来に向けた積極的な貯蓄が必要になります。生活費や教育費、住宅購入資金など、将来に備えて必要な貯蓄を行うことが重要です。特に住宅の頭金などリスクを取りたくない資金は定期預金などを活用しましょう。

・リスクマネジメント
これまでに積み上げてきた資産を守るために、リスク分散やポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)の再構築を行うことが必要です。過剰にリスクを取り過ぎないようにしましょう。

・投資信託の活用
NISAやつみたてNISAなどの非課税制度を活用し、資産形成を進めることがおすすめです。リスク許容度に応じ、株式型や債券型の投資信託を組み合わせて運用していきましょう。

・自分への投資
30代も自分への投資は重要です。専門性を高めるためのセミナーや研修に参加することも良いでしょうし、起業を目指して勉強するというのも良いかもしれません。

将来のライフプランを見据えた資産運用を行い、また自分自身のキャリアアップにも努めることが大切です。

40代の資産形成の考え方と運用方法

・複数の資産形成方法を取り入れる
将来に備え、リスクを分散するため複数の資産形成方法を取り入れると良いでしょう。投資信託の積み立てや、個人年金保険、確定拠出年金など、ライフプランに合わせた複数の資産形成方法を検討することが必要です。

・リターンとリスクのバランスを重視
将来のリターンを考慮しつつ、投資のリスク管理が必要です。将来のライフプランに合わせて適切なリターンとリスクのバランスを取ることが大切でしょう。また子供の教育費や住宅購入など大きなお金が動く世代ですので、過剰にリスクを取りすぎないよう注意が必要です。

・投資信託の活用
投資信託の活用がおすすめです。多様な分散投資ができるファンドや、海外投資に特化したファンドなど、ライフプランとリスク許容度に合わせた投資信託を活用しましょう。

・iDeCoの活用
自分で作る年金である「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の活用もおすすめです。自分で運用先を選び、毎月積み立てします。節税効果も高く老後資金の準備にぴったりです。

・自分への投資
40代でも自分への投資は重要です。自分自身のスキルアップやキャリアアップに取り組むことがますます大事になってくるでしょう。また、趣味を見つけたり、健康に気をつけたりと、将来に備えた自己投資にも積極的に取り組みましょう。

50代の資産形成の考え方と運用方法

・安定したリターンを重視
50代はリターンも大事ですが、安定性も重要です。リスク性資産(投資信託や株式投資等)と無リスク資産(預貯金)のバランスを考え、リスク管理をしっかりと行うことが大切です。

・バランスのとれたポートフォリオの構築
ライフプランに合わせ、バランスのとれたポートフォリオを構築することが重要でしょう。株式、債券、不動産投資、保険商品など、複数の資産クラスをバランスよく配分できると理想的です。また複数の資産に分散投資する手段として投資信託の活用がおすすめです。

・iDeCoの活用
積立期間が65才まで延長されたiDeCoもオススメです。節税しながら老後資金が準備できます。ただし60才時点での加入期間により受取開始年齢が異なります。場合によっては受取開始が65才以降になることもあるので注意しましょう。

・生命保険の見直し
生命保険の見直しを行いましょう。死亡保障の見直しや、ガン罹患リスク等を考えた医療保険の見直しなど、ライフプランに合わせた保険商品を選ぶことが大切です。保険を見直すことで無駄な保険料を払わなくても済むかもしれません。

(広告の後にも続きます)

資産形成で気をつけるポイント


ポイント
【画像出典元】「Luis Molinero/Shutterstock.com」

資産形成をしていく上で気をつけるポイントを紹介します。まずは資産形成を始める際に注意すべき点は以下の通りです。

目的・目標額を明確にする

自分が達成したい目的を明確にすることが重要でしょう。資産形成の目的は人によって異なりますが、例として将来のリタイアメント資金、子供の教育費、家の購入資金などがあげられます。目的を明確にすることで、目標額や運用期間などが明確になり、適切な投資戦略を立てることができます。

リスクとリターンのバランスを考える

資産形成において、投資は必要不可欠です。ただし高いリターンを狙うほど、リスクも高くなります。投資する際には、リスクとリターンのバランスを考えた上で、適切な投資商品を選ぶことが大切です。また若いうちは貯金と投資のバランスは50%ずつ、50代以降は投資の割合を下げていく方が良いでしょう。

分散投資をする

全資産をひとつの商品に投資するのではなく、分散投資をすることが大切です。複数の投資商品や複数の分野に分散して投資することで、リスクを軽減することが期待できます。投資信託を例に取れば、日本の株式や債券を投資対象とした投資信託だけではなく、海外の株式や債券を投資対象とした投資信託を組み合わせ、投資地域の分散などを行うと良いでしょう。また積み立て投資によって投資タイミングの分散も行いましょう。

コストを抑える

投資商品を選ぶ際には、コストも重要なポイントです。投資信託などの場合、買い付け手数料や信託報酬がかかります。まず始めに買い付け手数料や信託報酬が高い商品よりも、コストを抑えたインデックスファンドで投資をスタートさせることをオススメします。

時間をかけて運用する

資産形成は時間をかけて運用することが重要です。長期・分散・積立のスタイルで資産を運用することで、運用リスクを軽減する効果が期待できます。また投資商品の選定やリバランスを定期的に行い、コツコツと運用を続けることが大切でしょう。

次に資産を取り崩す際の注意すべきポイントは以下の通りです。

取り崩しの目的を明確にする

教育費や医療費、住宅購入資金など利用目的がハッキリしていればOKですが、なんとなく目的なく資金を取り崩しはじめると、あっという間に資産残高が減ってしまいがちです。資産を取り崩す前に、何のためにその資産を取り崩す必要があるのかを明確にすることが重要です。

優先順位を決める

複数の目的がある場合、優先順位を決めましょう。緊急性の高い目的や、将来の収益に影響を与える可能性がある目的などを優先的に考慮し、取り崩す資産の量や方法を決める必要があります。

税金や手数料を考慮する

資産を取り崩す際には、税金や手数料も考慮しなければなりません。例えば、株式や不動産などの資産を売却する場合、税金がかかる場合があります。また、投資信託を解約する場合、手数料がかかることもあります。これらのコストを事前に把握し、最終的な取り崩し額を計算しましょう。

長期的な資産の取り崩しは慎重に考える

長期的に運用している資産を取り崩す場合、その取り崩しによって将来の収益に影響を与える可能性があるため、慎重に考えましょう。例えば老後資金などの長期的な資産を取り崩す場合、その後の生活設計に影響を与える可能性があるため、将来の見通しをよく考慮した上で取り崩しましょう。