緊急事態宣言がもたらした夫婦の新たな試練

単身赴任が始まり1年がたとうとしていたころ、新型コロナウイルスの感染が拡大。夫の赴任先は感染者が多い地域だったので、2019年2月から帰宅を自粛することに。3月から子どもの小学校が一斉休校になり、4月には最初の緊急事態宣言が発令されました。離れて暮らす夫の感染を心配する一方で、子どもや自分の感染への不安が募っていきました。

5月の連休は、家族間での感染と他県からの帰宅への風評が立つことを懸念し、宣言解除までは帰宅しないと決断しました。最初は5月に帰るつもりだった夫を説得するのには時間がかかりましたが、夫婦として12年間ともに歩んできた私たちは、相手の嫌がることはしないという信念があり、最後は受け入れてくれました。

そこで、長い休みをひとりで過ごす夫を応援するべく、家族団らんのリモート化に力を入れました。ビデオ通話で顔を見て話すことで、お互いの寂しさが紛れていきました。また、簡単なレシピを夫に教えたり、映像配信サービスで同じ作品を観たりして楽しんでいます。

6月に宣言解除が発表され、約4カ月ぶりに夫の帰宅が実現。会えない時間を乗り越えた達成感と安堵感で目頭が熱くなりました。

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夫婦のコミュニケーションについて学んだこと

2カ月前、夫婦のあり方を改めて考えさせられる大きなできごとがありました。闘病していた実父が亡くなったのです。私の両親はずっと不仲で、夫婦のコミュニケーションをうまく取る方法を知りませんでした。そのまま年を重ねて、わだかまりがあるままのお別れになりました。両親がコミュニケーションを取って仲良く過ごせていたら、また違った夫婦のあり方があったのではと思いました。

そのことによって、46歳になった私は夫婦と呼び合える時間には限りがあることを感じて、その時間を大切にしていきたいと心から思いました。そして、お互いの意見が合わないときや誤解が生じたときはなるべく早く解決して、大切な時間を無駄にしない努力をしていこうと思いました。

また、なかなか会えなくなった分、頻繁にメッセージをやり取りするようになりました。その際には、なるべくやさしい表現を使うこと、積極的に近況報告をし合うことを心がけています。そのおかげで、離れていてもお互いのことがよくわかるようになりました。

夫の単身赴任を通して、どんな状況下でもお互いに歩み寄り、気持ちに寄り添うことが大事なのだと学びました。