シドニーのように、珈琲が身近な日常を。本店「Single O」を受け継ぎ、珈琲を通した社会へのチャレンジを。

シドニー本店で働いていた山本さん。日本とシドニーの珈琲に対する違いを実際に体験し、「日本にSingle Oブランドを伝えたい」と考え、本店の経営陣たちに日本出店を自ら提案したのだとか。

「シドニーではとにかく日常にコーヒーが根付いていて、それが素敵でした。どこのカフェも朝6時くらいからオープンしていて、遅くても15時には閉店。日本人がコンビニで飲み物を買うみたいな感覚で、毎朝珈琲を買いに来るんです。まさに『珈琲を飲まないと1日がはじまらない』という価値観。カフェには子どもも当たり前のようにいるし、そもそも、コンビニと同じくらいの店舗数があります」

そして「Single O」本店から日本への出店にあたり、日本人好みに大きくアレンジしたところは、ブラック珈琲をメインにしたことなのだそう。

「本店ではエスプレッソ+ミルクが主流ですが、日本人はおそらく体質的に多くのミルクを摂れないので、ブラック珈琲が人気ですよね。エスプレッソは『苦いから苦手』という人も多い印象です。だからシングルオリジンのコーヒーは人気が出ると思ったし、エスプレッソマシーンではなく、『Freepour Coffee On Tap』を目玉にした理由のひとつでもありますね」

まだまだ発展途上である珈琲業界。その中で「Single O」のスタンスや取り組みは世界的にも注目されており、山本さんが魅了された理由でもあるのだそう。

「珈琲を通してできる様々なチャレンジをしています。例えば天井にあるコーヒー豆を淹れて販売するアートパック。若手アーティストに絵を描いてもらって、SNSアカウントを明記して、お互いを宣伝するんです。

サステナブルな取り組みももちろんあります。壁のパネルはコルクを、キッチンの壁は廃棄される衣類を、テーブルは廃棄プラスチックを再利用したもの。美味しい珈琲を味わってもらうということはもちろん、珈琲を通して様々な世界の“間口”を広げてもらえたら嬉しいです」

「Single O Hamacho」は、シドニーの珈琲文化をはじめ、本店「Single O」の味や技術、そして想いを受け継ぐお店。それが実現できたのも、本店で約7年間働いた山本さんが架け橋となったからこそ。珈琲に限らず、“作り手”をリスペクトするその優しく情熱的なスタンスは、飲み手への愛ある接客にも現れています。浜町に訪れた際は、ぜひ「Tap Bar」を体験しに訪れてみてください。

「今後は、カフェの2号店出店を目指しています。他にも、“Freepour Coffee On Tap”を色んなところに置いたり、色んな形の店舗展開ができればと。Tap Barがあれば、日本のスペシャルティコーヒーがもっと盛り上がるんじゃないかと期待しています」。

About Shop
Single O Hamacho
東京都中央区日本橋浜町3-16-7 スプラウト日本橋浜町1F
営業時間:7:30~19:00(月曜~金曜)
     8:00~19:00(土曜、日曜)
定休日:なし

Photo/Cream Taro Writing/Nanako Maeda