憧れのシェフに心を奪われ、夢だったパティシエに。飲食業界の課題と向き合う

小北シェフがパティシエの世界に足を踏み入れたきっかけは、高校2年生の時に見たTV番組。その瞬間の情熱が、今でも原点になっているのだそう。

「たまたまTVを見ていたら、『プロフェッショナル 仕事の流儀』がやっていて。そこに出ていた杉野シェフ(イデミ・スギノ(2022年閉店))の生き方を見て『なんだこのかっこいい人は!』と衝撃を受けたんです。そこから製菓専門学校に進むことを決めましたね。杉野シェフのお菓子は自分の原点で、開店前から並ぶくらい大好きで憧れでした。食べると自分の気持ちが引き締まるお菓子です」。

製菓学校を卒業し、念願叶ってパティシエに。渡仏して「モリヨシダ」(パリ)で修業し、シェラトンホテル(神戸)や「Season & Co.」(梅田)で研鑽を積んできた小北シェフ。仕事をする中で、様々なリアルも経験し、次第に様々な課題と向き合い始めたのだそう。

「一見、行列が並ぶ人気店でも、原価が高く採算が取れていないという現実。ブラック労働。そういった、パティシエだけじゃなく、飲食業界全体の問題にずっと直面してきて。どう解決したらいいか、考え続けています」。


チームメンバーの仲の良さも、お店の魅力に。お店を立ち上げる際に声をかけたのだそう

「『Constellation.』は、その答えのひとつである『美味しいに付加価値をつける』を形にしたお店。オンライン限定のスイーツブランドも作っています。他にも、悩んでいる若手シェフや飲食業界の人の力になりたくて、SNSで発信したり、シェアキッチンを運営したりもしています」

パティシエの枠を飛び越え、次々と様々な挑戦を続ける小北シェフ。「何かに縛られず、自由に生きて、成長し続ける人間でいたいんです」と語るその姿は、周りの多くの人を惹きつけています。今後の活動についてもお聞きしました。

「とにかく面白いものを仕掛けたいです。スイーツに限らず飲食業界全体に。例えば、食×何かのコラボとか。音楽…ジャズとか面白いかもしれません。誰かの真似をしたくはないので、オリジナリティのあることがしたいですね」。

一見クールなお店ですが、チームメンバーの仲が良く、終始とても賑やかで笑いの絶えなかった取材現場。人との縁やつながりを大事にする、そして常に前進をやめない小北シェフだからこそ、実現できたお店ではないでしょうか。

仕事や勉強に疲れて癒されたい日、そして絶対に失敗したくない特別な記念日には、秘密の会員制スイーツバー「Constellation.」へ、ぜひ足を運んでみてください。

※お店の新規会員は、公式Instagramにて不定期募集(@sweets_bar_constellation)

About Shop
Constellation.
住所:完全非公開
定休日:水曜日
@sweets_bar_constellation

Photo/Cream Taro Writing/Nanako Maeda