妻側の贈与税

次に、自宅を財産分与で取得した妻は、贈与税を払う必要はあるのでしょうか?

結論、「通常、贈与税がかかることはありません。」
財産分与は、一見、相手から財産をタダでもらっているようですが、受け取った財産は夫婦が共同で築いた財産のうち、その人に帰属すべき財産と考えるため、贈与ではないのです。専門用語では、「財産分与請求権に基づいた財産の清算」といいます。

※贈与税がかかるのは、離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合や、様々な事情を考慮して多すぎると考えられる場合のみです。

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登記変更の登録免許税

夫から妻へ自宅の財産分与を行う場合、必ず不動産の登記変更を行う必要があります。その際に、登録免許税という国に納める税金が、固定資産税評価額の2%かかります。財産分与の際、登録免許税は原則的に共同で支払いますが、話し合いによりどちらか一方の負担としても問題ありません。ちなみに固定資産税評価額が仮に8000万円の場合、2%は160万円です。馬鹿にならない数字ですので、離婚協議の際に、負担する人も話し合っておきましょう。

なお、不動産取得税という地方自治体に支払う税金は、財産分与の場合には原則的に非課税ですが、慰謝料として不動産を渡す場合や、夫婦共有持分の財産分与の場合には、課税対象となります。財産分与を受けた不動産に妻が居住する時は、軽減措置の適用を受けられることが多いので、この辺りも専門家に確認しておくことをお勧めします。