ディオール【2024年春夏パリコレクション】

今月初めまで開催された、2024年春夏のパリコレクション。パリならではの多彩な新作が披露された。それらの中から、マリ・クレールデジタル編集長の宮智泉が注目のブランドをピックアップ。

テュイルリー公園内の特設会場に足を踏み入れると、巨大なスクリーンに囲まれる。イタリア人女性アーティスト、エレナ・ベラントーニによるビデオアート作品「NOT HER」の映像が流れる。1940年代から現在まで、性差別的なコピーと絵を使った広告を使いながら、「I don’t belong to anyone else」などの文言を表示。

女性が自身の価値に気付き、違いを表現することを手助けする責任がファッションにはあるという信念のもと、フェミニティとフェミニズムの関係を探求し続けているクリエイティブ・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリは、いつも女性アーティストによる作品とともにある。

登場した服は黒のジャケットとロングスカート、足元にはヒールの低い靴やブーツなどを組み合わせ、決して華美でなく、自立した女性を描いている。中でも印象的なのが、白いシャツだ。抑制の利いた白のシャツがワンショルダーのドレスになったり。ベージュ系のレースのドレスも決して甘すぎない。

text: Izumi Miyachi

Mame Kurogouchi【2024年春夏パリコレクション】