薬の一包化とは?高齢者が薬を一包化するメリットと注意点を解説

高齢者が薬を一包化するときの注意点

高齢者が薬を一包化するときの注意点は以下の通りです。

別途で費用がかかる
一包化できない薬もある

それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。

1.別途で費用がかかる

薬の一包化を医師が指示した場合、一包化加算という費用が薬の費用とは別で発生します。

とはいえ、28日間の薬を一包化するためにかかる費用は1,280円となっており、実費で支払うのは1割負担の場合は120円、3割負担の場合は380円となります。

メリットの大きさから考えると、一包化加算を支払っても一包化することがおすすめです。

2.一包化できない薬もある

種類は多くはないものの、薬の中には一包化できないものもあります。

服薬する薬が一包化できるかどうかは、医師や薬剤師に相談しましょう。

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高齢者が薬を一包化して服薬状況が改善された事例

高齢者が薬を一包化して服薬状況が改善された事例については、厚生労働省のホームページの「服薬の自己管理が困難な外来患者(後期高齢者)に対する服薬支援について」にて紹介されています。

ここでは、服薬状況が改善された以下の2つの事例を紹介します。

認知機能がやや低下している患者の例
複数の医療機関から多くの種類の薬剤が処方された患者の例

それでは、具体的な改善までの経過について、以下で詳しく解説します。

1.認知機能がやや低下している患者の例

①薬局で薬を処方されるタイミングでは自分で薬を取り出して服薬できると言われたため薬をシートのまま交付した。

②その後、介護者と来院したときに大量の飲み残しがあることが判明し、いつどのタイミングで薬を服薬すればいいのか判断できないとのこと。

③処方医に連絡して許可を得たのち、シートから取り出した薬を一包化して再度交付した。

④薬の管理は自分では十分にできないものの、介護者や家族が服薬の管理を容易にし、適切な服薬が可能になった

このように、高齢者はしっかりと薬を飲めていると感じることがあるが、介護者や家族が確認したところ、実際には服薬できていないケースも多い。そのような場合、一包化することで服薬状況が改善されることが多いです。

2.複数の医療機関から多くの種類の薬剤が処方された患者の例

①患者は複数の医療機関から併用薬が処方されている。

②次回診察時に併用薬をチェックしたところ、薬の種類が多いことから飲み残しがあると判明した。

③併用薬の処方医に許可を得て複数の医療機関から処方された薬を一包化した。

④服薬状況が改善し、症状の緩和がみられた。

複数の医療機関から薬が処方されている場合、一包化することで服薬状況が改善されることが多いです。