大学に進学する人の多くが利用しているといわれるのが日本学生支援機構の奨学金制度です。この奨学金制度が2024年度から変わろうとしています。今回は新しい日本学生支援機構の奨学金制度についてご紹介していきます。

奨学金制度とは?

大学進学時に学費や学校生活のために利用されるのが日本学生支援機構の奨学金制度です。日本学生支援機構は教育の機会均等の理念に基づき、奨学金事業を行っている国の機関です。国の奨学金制度の始まりは戦前までさかのぼり、何度か組織の改編があり、現在の学生支援機構になったのは2004(平成16)年です。

国の奨学金制度は永らく返還が必要な「貸与型」のみでしたが、2017(平成29)年度から原則として返還の必要がない「給付奨学金制度」が取り入れられました。また2020(令和2)年度から「高等教育の修学支援新制度」を開始し、給付型奨学金を使える人が増えています。

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奨学金の現状

日本学生支援機構が発表している、「奨学金の貸与・給付状況の実績」による貸与人数と給付人数は下記の通りです。

注)
第一種奨学金:返還が必要な無利子の貸与型奨学金。学力や経済的理由など基準が厳しい。
第二種奨学金:返還が必要な有利子の貸与型奨学金。学力や経済的理由の基準が第一種奨学金より緩和されており、希望すれば基本的には利用できる。
 

表:独立行政法人日本学生支援機構の奨学金に係るデータ集を参照し筆者作成

*「貸与人数」は、第一種奨学金、第二種奨学金の両方を利用していた場合、2人と計上しています。

2020(令和2)年度からスタートした「高等教育の就学支援新制度」により給付型の奨学金を利用している人が増加しています。ちなみに2022(令和4)年度では大学、短期大学、大学院、高等専門学校及び専修学校(専門課程)などの高等教育機関に通う365万人のうち、奨学生の数はおよそ119万人でした。これは概ね3人に1人の学生が奨学金を利用している計算になります。