見た目で必要な光の強さを推測する


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長々と説明してきましたが、これは「植物の見た目は、要求する生存条件と密接に関連している」のを理解していただくためです。


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例えば白い毛の生えた葉が一年中きれいなジャコバエア・マリチマ(シロタエギク) Jacobaea maritima は、もともと地中海地方の海岸近くに生える植物です。強い光・乾燥・強い風・塩分、そういったものから身を守るために白い毛を全身に生やしてやり過ごしているわけです。

葉に白っぽい模様が入るサトイモ科のアグラオネマやディフェンバキアの仲間は熱帯雨林の中が故郷です。そのような場所で効率よく生きるために葉が薄く、しかしたまに入ってくる強い光から身を守るために光を反射する組織を持っているので、そこが白や銀色に見える模様になっています。

例外はありますが、植物の姿や葉の形などを確かめながら植物図鑑を参照してみてください。より理解が深まります。

私の経験上は次のようになります。

葉が厚く、白くなるほど白粉を帯びて、葉が硬く(曲げられない)、葉の幅が細い植物があれば、だいたい日当たりを好むと思ってよいでしょう。

逆に葉が薄く、緑色で、毛はなく、質も柔らかく、葉の幅が広い植物があれば日陰を好む可能性が高いといえます。

もちろん例外や相反する形質が同居するような場合もありますが、総合的に見てどちらが多いかと考えてください。話が複雑になるので詳しく書きませんでしたが、一般論として斑入りの植物は普通のものより強い日差しに弱いと考えてください。

Credit

文 / 辻 幸治
– 園芸家 –

つじ・こうじ/1976年、大阪生まれ。江戸の園芸文化から海外のワイルドフラワーまで幅広く精通する。NHK「趣味の園芸」にも講師として出演。書籍や雑誌の執筆・監修でも活躍。著書に『色別 身近な野の花山の花 ポケット図鑑―花色別777種』(栃の葉書房)など。