千葉県の名産品として知られる落花生ですが、「買うもの」と決めつけてはいませんか? 落花生は比較的簡単に栽培できる野菜の一つなので、家庭菜園に取り入れるのにおすすめです。この記事では、落花生のプロフィールや特性などの基本情報や栽培スケジュール、詳しい育て方など、幅広くご紹介していきます。

落花生の基本情報


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落花生は、マメ科ラッカセイ属の果菜類で、原産地は南アメリカです。

「果菜類に分類されるということは、落花生の実は地上につくんだったっけ? でも土のついた殻付きを見たことがあるような?」と混乱してしまうかもしれませんね。ここで、はっきりさせておきましょう。落花生は、黄色い花が開花した後に花の付け根にある子房柄が長く伸び始め、なんと地中にもぐっていくんです! 地中の中でサヤがついて実が熟すので、掘り上げて収穫することになります。「落花生」と書く通り、花が落ちて地中で実がつくというユニークな育ち方をする野菜なのです。

また、落花生は根に根粒菌が寄生する特性があります。「菌が寄生する」というと、なんだか穏やかではありませんが、マメ科に属する植物は同じような特性があり、これはクセのようなものだと解釈してください。なぜなら根粒菌はマメ類の植物の根から養分をもらう代わりに、窒素成分を合成して供給するという、互いに助け合う「共生」の関係にあるからです。根粒菌から養分をもらえるため、マメ科の植物は肥料をたくさん与える必要がなく、控えめでOK。特に窒素成分を多く含む肥料は選ばないほうが無難です。

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落花生栽培の時期と方法


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スーパーなどで年中手に入るものですから、「落花生の旬っていつだっけ?」と問われても、なかなかピンとこないもの。でも、落花生の栽培に興味があるなら、いつスタートするのかは知っておきたいですよね。落花生の栽培スケジュールは、以下の通りです。

4月頃、植え場所に苦土石灰や堆肥、肥料などを投入し、1カ月ほどかけて分解させて土を熟成させましょう。種まきは5月頃です。花苗店では苗が販売されているので、たくさん育てる必要がなければ、苗からのスタートでOK。その場合は5月中旬〜6月上旬に苗を入手して植え付けます。そして6月下旬頃から黄色い花が開花。追肥や土寄せをしながら管理し、収穫は10月頃で、葉が黄色くなり始めたら掘り上げます。掘りたてを塩ゆでしたり、保存する場合は掘り上げた後にしばらく乾燥させてサヤを子房柄から外し、さらにネットなどに入れて風通しのよい場所で乾燥させましょう。振ってみてカラカラと音がしたら調理に利用します。