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●みなとみらい線馬車道駅すぐにある『水信フルーツパーラー』。1年のリニューアル期間を経て生まれ変わった「琥珀バナナパウンドケーキ」とは?

 大正4年創業の老舗果物店『水信』。バナナ加工卸問屋『水信商店』からその歴史をスタートさせ、当時台湾から移入した青バナナを室に入れて熟成加工し、小売店へ卸していました。


当時の『水信商店』

 戦後はアメリカ軍が持ち込んだバナナを加工する仕事を受けながら復興に努め、現在は『水信グループ』として飲食店やケーキの製造なども手掛けています。


『水信フルーツパーラー』オーセンティックな内装デザインも見どころ

 そんな横浜の老舗果物店が手掛けた『水信フルーツパーラー』が、みなとみらい線馬車道駅最寄りにあります。2020年コロナ禍でのオープンした知る人ぞ知る人気店で、ケーキや季節のフルーツパフェなど、ショーケースはいつも華やか! その中でも人気の「バナナパウンドケーキ」がリニューアル。その実態を取材してきました。

リニューアルに丸1年かけた究極の「バナナパウンドケーキ」とは


「バナナパウンドケーキ」4000円

 そして、2024年4月27日より販売するのが、「バナナパウンドケーキ」です。開業当時からの人気商品でしたが、「バナナ問屋としてもっとこだわりたい」という思いから、販売を休止。約1年かけてリニューアルを行いました。

 バナナの香りや食感を最大限に表現するべく、エクアドル産のバナナを使用。ピューレにしたり、カットしたり、丸ごと使ってみたり、様々な角度からバナナ本来のおいしさを追求しています。


オーブンの中でじっくりとロースト [食楽web]

 加工する前にシュガースポット(表面の黒い点)が出るまで追熟させ、皮のままのバナナを2時間低温でローストすることで糖度を上げています。

 パウンドケーキというと、どっしりとした食感をイメージするかもしれませんね。その名の通り小麦粉、バター、砂糖などをそれぞれ1パウンドずつ使うため、目がつまりやすくなりますが、この「バナナパウンドケーキ」は小麦粉の量が多くなりすぎないようにアーモンドプードルで調整するなど、ふわっとくちどけのよい生地に仕上げています。

 例えるならフランスの「パン・ド・ジェーヌ」(アーモンド含有量の多いしっとりとした生地)に近い作り方だそうです。


トップは半分にカットした1本分のバナナに砂糖をまぶしてキャラメリゼ

 パウンドケーキのくちどけ感にもおどろきますが、バナナの甘み、酸味、香り、ともにフルーツとしてのおいしさを再発見できる一品です。

 冷蔵庫でしっかり冷やしてからいただくのがパティシエールのおすすめ。バナナテリーヌのようになってよりリッチにいただけるそうです。パッケージや袋のデザインもうっとりするほど素敵で、おもたせとしても重宝しそう。ぜひ覚えておきたい名品です。

(文◎亀井亜衣子)

●SHOP INFO

店名:水信フルーツパーラー

住:神奈川県横浜市中区北仲通5丁目57-2kitanaka brick&white1F
TEL:045-662-9295
営:11:00~20:00
休:年末年始