美しい咲き姿で人々を魅了し、“花の女王”と称されるバラは、身近に育てて咲かせる楽しみ以外に加え、食や暮らし、歴史や物語など、じつに多岐に渡る魅力を持っています。これまで数々のバラを庭で育てながら、バラ文化と育成方法の研究を続けているバラ研究家の元木はるみさんが、バラと暮らす一年を提案する新刊書籍をご紹介します。また、著者である元木さんの新しい庭をご案内する配信サロンを5月12日(日)に開催! 募集ご案内もぜひチェックしてください。

35年以上バラとともに暮らす著者の思い

この度、新しい拙著『薔薇ごよみ365日 育てる、愛でる、語る』(誠文堂新光社)が、この春(2024年4月8日)に発行となりました。

私は、35年以上に渡って、自宅でバラを育て、バラのある暮らしを続けて参りました。

ガーデニングをすることから始まったバラとの暮らしですが、気が付けば、バラを取り入れたライフスタイルを日々愉しみながら送っていることに気付きました。

とはいえ、365日分のバラに関するエッセイを綴るという依頼を頂いた時には、さすがに無理かと思い、躊躇しました。でも、ふと庭に目をやれば、そこに大好きなバラが佇んでいます。そのバラの背景に見え隠れするさまざまな物事を、声に出して言えないバラに替わって、何か一つでも私がお伝えすることができれば……。そして、バラにさらに興味を持ち、バラを大切に考えてくださる方が増えればという思いから、書籍化にチャレンジすることにいたしました。

バラを大切に考えるとは、じつは、“平和な世の中”と繋がっていると思うのです。いつまでもバラを愛で、平和な世の中を大切にしてくださる方が増え、バラの未来が護られることは、人々の幸せに繋がっているのだと思います。

この一冊には、1月1日から12月31日まで365日分のバラにまつわる園芸、アレンジメント、庭仕事、食、アイテム、歴史・文化に関するさまざまなことがらをエッセイにまとめました。ぜひお手にとって、そばに置いて楽しんでいただけたらと思います。

(注:本文の品種紹介ページは、日付と開花時期が一致するわけではございません。)

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本書の読みどころをピックアップ

これまで、4カ所の庭づくりをし、250種以上のバラを咲かせてきました。毎年毎年、感動をくれた花々の写真と共に、バラのある日々の暮らしへの思いを綴っております。

バラは、咲いた花の姿に注目されることが多いものですが、芽吹きや成長の過程にも、さまざまなエピソードがあります。育てたことがある人も、ない人にも共感いただければ嬉しいです。

花が咲いたら愛でるだけではなく、バラの花びらを使った“食”での楽しみもあります。育てているからこそ手作りできる、バラを利用したコーディアルのレシピもご紹介しております。

バラには、春の花が終わった後、結実し、赤い果実が実る種類もあります。ローズヒップの収穫時期を迎える秋は、ジャム作りもおすすめです。ローズヒップジャムを利用したレシピもご紹介しています。

近年は、バラを利用した製品をさまざま入手することができ、バラを暮らしの中に取り入れやすくなりました。暮らしを彩ってくれるバラを利用した製品や、愛用しているものをご紹介しております。ここでご紹介した項目以外にも、バラに関する歴史や文化、バラとの関わりが深い人物などについても綴っております。