英国王室では、四角いサンドイッチを食べることが許されない理由

サンドイッチの作り方は、三角形から単純に半分に切ったものまで、好みによってさまざまだが、英国王室の場合は、伝統的なルールとして“四角いサンドイッチは禁止”なのだという。マリ・クレール インターナショナルのアメリカ版デジタル記事よりお届け。

王室メンバーが四角いサンドイッチを食べることが許されない理由は、ずっとずっと昔にさかのぼる

王室のプロトコル(儀礼)の奇妙さをもっとも物語っているのは、興味深い食べ物のルールだろう。

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王室儀礼にまつわる数々の風変わりなことの中でも、これは上位に入るものだ。元王室シェフによると、ロイヤルファミリーの人たちは、四角いサンドイッチを食べないらしいと英タブロイド紙『The Sun』が報じた。

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これは何世代にもわたって受け継がれてきた迷信に由来する、と同紙は報じている。バッキンガム宮殿で2年間、ケンジントン宮殿で6年間働いた元王室シェフのグラハム・ニューボールドは、ドキュメンタリー番組『Secrets of the Royal Kitchen』の中で、すべては王位をおびやかされることへの恐れからきていると語った。

ニューボールド氏が、亡くなったエリザベス女王のもとで働いていたとき、一度も女王に四角いサンドイッチを用意したことがなかったという。前述の理由によって、エリザベス女王は毎日のアフタヌーンティーで「ジャム・ペニー」と呼ばれる、バターとラズベリージャムを挟んだ小さな円形のサンドイッチを好んだからだ。

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また、ヴィクトリア女王の最愛の夫アルバート公も、伝えられるところによると「棺桶(かんおけ)の形をした食べ物を食べるのは不吉だと考えていたため」、同じ迷信に従ったようだと『The Sun』は報じている。(残念ながら、四角いサンドイッチを避けたにもかかわらず、アルバート公は1861年、42歳の若さで亡くなった)

エリザベス女王が、王室メンバーに旅行中、食べることを禁じた食事リスト、たとえば食中毒の危険性が高い貝類のように、王室の奇妙な食事のルールはその後も継承された。

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「公務で外出する際に魚介類を食べないというのは、非常に賢明な行動です」と英国のエチケット専門家グラント・ハロルドは英誌『Woman & Home』に語っている。そして先述のニューボールド氏は、以下のように話した。「我々は王室のメンバーが深刻な食中毒反応を起こすことは避けたいと思っています。特に外国訪問中であれば、なおさらです」

エリザベス女王は炭水化物もお好みではなく、パスタやポテトを食べなかったという(まあ、それだけのことだ。議論の余地があるはずもないが、筆者は正式に王族になることはないだろう)。女王はニンニクも嫌いだった。熱心な動物愛護の擁護者であるチャールズ皇太子(当時)は、2008年にすべての王宮でフォアグラを禁止した(これは国王となってからも続いている)。

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チャールズ国王はといえば、朝食に何を食べるかにうるさいことなど、非常に変わった嗜好(しこう)を持っている。世界中どこにいても、チャールズ国王のいわゆる“朝食ボックス”は一緒だ。元王室シェフのダレン・マグレイディは米誌『Delish』に、「彼は通常、朝食にフルーツを食べて1日をスタートするが、たいてい庭で採れたプラムをいくつか、軽くゆでたものです」と明かした。そして「ジュースを少しとミューズリー(シリアルの一種)も一緒に」と付け加えている。

ニューボールド氏もこれを認めた。「(チャールズ国王は)世界中どこへ行くにも、その朝食ボックスを持って行きます」と話し、こう説明している。「6種類のハチミツ、特製ミューズリー、ドライフルーツ、そしてちょっとこだわりのある特別なものも少し入っています」

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『The Sun』の報道によると、「国王は自家栽培の野菜、少量の食事、彼の私邸ハイグローヴ・ハウスで飼っているにわとりの卵など、厳格で健康的な食生活を送っていると考えられています」とのこと。

知れば知るほど、すごい!

translation & adaptation: Akiko Eguchi

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