脳梗塞の治療



脳の細胞は血流が止まると、数時間以内に死んでしまって再生が困難になります。特に脳梗塞は発症後24時間以内に症状がどんどん進行するため、早期発見・早期治療がとても重要です。

脳梗塞の治療には、急性期治療と内科的治療とがあります。急性期治療は発症から4.5時間以内で、CTやMRI検査で回復不可能になっていないと判断でき、かつ治療の危険性が高くないと考えられる場合におこなわれる、血管を再開通させる治療です。

詰まった血栓を薬で溶かすt-PA静注療法や、カテーテルを太ももの動脈から脳内に挿入して詰まった血管を再開通させる血栓回収療法などがあります。

一方、CTやMRI検査ですでに脳梗塞が進行して回復不可能と判断された場合は、点滴の治療薬(抗血栓薬・脳保護薬・抗脳浮腫薬など)を用いるなどの内科的治療をおこないます。急性期治療に比べて副作用は少ないですが、症状の改善には不十分な場合が多くなります。

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脳梗塞の後遺症

後遺症の有無や重度は、脳の細胞の損傷の部位や度合いによって異なり、損傷が激しい場合は重い後遺症が出る場合もあります。

後遺症には主に以下があり、脳梗塞の症状がそのまま残る形で後遺症になります。

・運動障害:片方の手足のまひなど
・感覚障害:触覚や痛覚が鈍くなる場合と逆に過敏になりしびれを感じる場合がある
・目の障害:視野が狭くなる、物が二重に見えるなど
・構音障害:ろれつが回りにくくなる
・嚥下障害:食べ物を飲み込みにくくなる

上記の他に、新しいことを覚えられないなどの「記憶障害」や、注意力や集中力が低下する「注意障害」、感情のコントロールができない「感情障害」などの「高次脳機能障害」と呼ばれる症状が出る場合もあります。

高次脳機能障害は外見からはわかりにくいため、周囲から誤解を受け、日常生活に支障を来してしまうこともあります。