「ロエベ」がコラボを続ける女性アーティスト、リンダ・ベングリスとは?

2024年春夏シーズン、「ロエベ」はアーティストのリンダ・ベングリスとのコラボレーションを継続。ショーのセッティングとして大規模なブロンズ彫刻を展示し、共同制作したジュエリーを発表する。コラボコレクションは2024年5月9日(木)に発売。

アーティストのリンダ・ベングリスとは?


2015年に撮影された、リンダ・ベングリス
Christopher Lane / Getty Images

リンダ・ベングリスは、1941年アメリカ・ルイジアナ州レイクチャールズ生まれの彫刻家で、ヴィジュアルアーティスト。60年にわたるキャリアの中で、彼女は形状と素材に関する絶え間ない革新を通じて、アートオブジェクトの概念を再定義してきた。

ポリウレタン、ラテックス、スパークル、紙、せっこう、青銅、水などの多岐にわたる材料に動的かつ物理的にアプローチすることで、彼女は彫刻の概念に対して挑発的な問いを投げかけている。

なお、ベングリスは2022-23年秋冬シーズンに、写真家のユルゲン・テラーが撮影した「ロエベ」の広告にモデルとしても登場している。

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2024年春夏のランウェイでのインスタレーション


ショー会場に並べられた彫刻のインスタレーション

2024年春夏メンズコレクションでも展示されたベングリスのインスタレーションだが、2024年春夏コレクションのランウェイショーでも彫刻作品を披露。大規模なブロンズ製の彫刻6点が会場に展示された。

これらの作品は、ベングリス自身が“Elephant Necklace”(象のネックレス)と呼んだ一連の粘土彫刻を巨大化し、鋳造することで制作されているという。いずれも、伸びたやわらかな粘土の形がツイストされ、成型されることでダイナミックな形態になっている。ちなみに、ベングリスは1990年代初めから粘土による制作を行っていて、素材に手を加えることをダンスになぞらえている。


奥:Power Tower(2019)、手前:Black Widow(2021)

巨大化の手法は、制作プロセスが残す傷や痕跡を、なまなましく誇張して表現。 磨きこまれたブロンズ色からマットなブラックのパティナ(古色)にいたるまで、さまざまな素材の表面にドラマティックな光が反射し、視覚効果が織りなす流転の光景を生み出している。