フォトスポットが随所に!来場者の高揚感を引き出した“ショーとしての演出力”

Fukuoka Flower Show 2026 の魅力は、優れた庭や花の展示が並んでいたことだけではありません。会場には来場者が自然と足を止め、写真を撮りたくなる仕掛けが随所に散りばめられていました。

入口で来場者を迎える鮮やかなピンクのウェルカム装飾には、「FUKUOKA FLOWER SHOW」のサインが大きく掲げられ、会場に入る前から“特別な場所に来た”という期待感を作り出していました。昼は青空の下で華やかに映え、夜は照明を受けていっそうドラマチックな表情に。まず最初に多くの人が足を止めるフォトスポットになっていました。

そして、その期待感を会場の中でさらに膨らませていたのが、石原和幸氏が手がけたシンボルガーデン「春の彩 ~360° パステルバンケット~」です。頭上を覆うように広がる構造物の外側はみずみずしい切り花で装飾され、内側にはドライフラワーが贅沢にあしらわれ、さらに周辺を植栽やコンテナが彩るという、非常に凝ったつくり。

切り花、ドライフラワー、植栽という異なる花の手法をひとつの空間に重ね合わせたことで、庭であり、装飾であり、舞台でもあるような、独特の華やかさが生まれていました。記念撮影を楽しむ来場者が絶えなかったのも納得で、ここには“作品を見る”だけでなく、“その中に入って主役になれる”ような楽しさがありました。

この“花の中で過ごす特別感”は、飲食スペースにも及んでいました。福岡の人気店・実力店が集まる花と美食のガーデンレストラン・カフェエリアは、テーブルが並ぶテントの天井内側にドライフラワーが飾られ、その前にはルピナスやデルフィニウムなどの花々が植え込まれたガーデンが。美しい庭を眺めながら、福岡の食やお酒を味わえるこの空間は、レストランというより“花に包まれた祝祭の客席”のようで、ショー全体に一段上の特別感を与えていました。夜間開催の日には、各ガーデンのライトアップに加え、夜限定のレストランメニューも用意され大勢の人でにぎわいました。
まだ知らない花に出会えるのもショーの醍醐味。来場者投票で選ばれた「FFSプランツアワード」

会場を歩いていると、“こんな植物があるのか”と足を止めたくなる、新しい品種や珍しい植物に出会えることも、このショーならではの大きな楽しみ。その象徴となっていたのが、FFSプランツアワードです。
この企画は国内有数の種苗会社などが手がけた新品種・優良種を集め、Fukuoka Flower Show 2026から福岡、そして全国のまちへ広げていく花や植物を決定するもの。来場者投票約5,000票によって選ばれた結果、上記の3品種が受賞しました。受賞品種には今後、受賞ロゴが付けられ、全国の園芸店などで販売される予定です。

さらに、受賞品種だけでなく、会場にはこれからの園芸シーンを予感させるような新しい植物や、まだ広くは知られていない魅力的な品種も並んでいました。その代表が、しなやかに枝垂れてやさしいアーチを描く、コンパクトな樹形が魅力の「フィラデルファス プチパフューム ピンク」。

実物は残念ながらまだ開花前でしたが、展示パネルでは魅力的な芳香をもつ花を初夏から少なくとも6週間にわたって数百輪咲かせること、さらに大気汚染や乾燥にも強く、都市部や沿岸部でも育てやすいことが紹介されていました。15年にわたる育種の末に誕生した、世界でも珍しいピンク花のフィラデルファスとされており、香り、花つき、育てやすさを兼ね備えた、これから人気が広がりそうな木本植物として強い印象を残しました。

また、日本初登場として紹介されていた「バラ アミローズ」も注目を集めていました。アプリコットからピンクへと移ろう花色に加え、長い開花期間と耐病性を備え、観賞性と育てやすさを兼ね備えた新しいバラとして印象に残りました。
