スズランの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4月~5月
植え替え適期:10月上旬~12月上旬、4月上旬~5月上旬
肥料:4月~5月上旬(元肥)、6月上旬(追肥)、10月~12月上旬(追肥)
植え付け:10月上旬~12月上旬、4月上旬~5月上旬
スズランの栽培環境

日当たり・置き場所
スズランは乾燥にやや弱く、直射日光に当たると葉焼けの恐れもあるため、適度に湿度がある半日陰が置き場所に適しています。夏に日陰になる落葉樹の根元などがおすすめです。
屋内の置き場所は、レースのカーテン越しに光が届くような、涼しい窓際が理想的です。ただし、暖房の風が直接当たると乾燥で株が弱るため注意しましょう。
耐寒性・耐暑性
スズランは耐寒性が強い植物なので、氷点下になる寒冷地でも屋外での冬越しが可能です。冬になると枯れたように見えますが、地下茎は生きており、春になるとまた活動をはじめます。
一方で耐暑性はやや弱く、高温多湿や直射日光で弱ってしまいます。涼しく風通しの良い場所で管理しましょう。
スズランの育て方のポイント
用土

【地植え】
スズランは多湿を嫌い、水はけのよい土壌を好みます。植え付けの際は腐葉土や堆肥など有機質資材を土壌にすき込んでふかふかの土づくりをし、やや盛り土をしておきましょう。
【鉢植え】
用土は、草花用にブレンドされた園芸用培養土を使うと便利です。
水やり

【地植え】
植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりするとすぐにお湯状になり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。
【鉢植え】
日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
また、真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、直射日光が当たらない半日陰の場所で管理し、朝夕2回の水やりを欠かさないようにします。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、すぐにお湯状になり、株が弱ってしまうので、朝タの涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は休眠していますが、水やりをやめずに控えめに与えて管理します。
肥料

スズランは、一度植え付ければ毎年花を咲かせる息の長い植物なので、肥料を補って株の勢いを保ちましょう。地植え、鉢植えともに、新芽が吹き出す前の3月~4月上旬と、開花後の6月頃が適期です。
【地植え】
牛糞堆肥などの有機質肥料を株の周りにまいて、軽く耕して土にすき込みます。
【鉢植え】
においが発生しない緩効性化成肥料を使うと便利です。鉢栽培では水やりのたびに肥料成分が流れ出すので、開花期にはリン酸分を多めに配合した液体肥料を補うと、花数が多くなります。製品に書かれている希釈倍率や用法を守って与えるようにしましょう。
注意する病害虫
見た目は可憐なスズランですが、意外と病害虫が発生しにくい植物なんです! 特に虫が苦手な方には、庭やベランダに迎え入れるのに、おすすめの植物といえます。
スズランの詳しい育て方
苗の選び方
スズランの苗を選ぶ際は、株元がしっかりとしていて、葉にハリと艶がある健康なものがおすすめです。春なら、葉の間からふっくらとした花芽が確認できるものを選ぶと、すぐに開花した姿を楽しめます。
植え付け・植え替え

スズランの植え付けは、3月か11月~12月上旬が適期です。花苗店などで開花株を買い求めた場合は、植えたい場所へ早めに定植します。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、入手した苗の根鉢より1~2回り大きな穴を掘って、植え付けましょう。複数株を植え付ける場合は、約20cmの間隔を取っておきます。最後にたっぷりと水やりをしておきましょう。
一度植え付けたら、3~5年は植えっぱなしにしてもかまいません。しかし、大株に育って地下茎が込んでくると生育が衰えるので、掘り上げて株分けし、植え替えましょう。
【鉢植え】
鉢の大きさは、5~6号鉢に1株を目安にするとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1~2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。スズランの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2~3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら用土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。
鉢植えで育てている場合、1~2年に1度を目安に植え替えます。根が鉢底からはみ出して根詰まりし、生育が鈍くなっているようなら、植え替えましょう。鉢から株を出して根をほぐし、1~2回り大きな鉢に植え替えます。大株にしたくない場合は、4~5芽つけて株を切り分ける「株分け」をし、数鉢に植え直すとよいでしょう。
日常の手入れ

スズランは、花茎を立ち上げて花を咲かせるので、つぼみがつかなくなったら花茎の元から切り取ります。タネを採取しないのであれば、花がらはまめに取り、株まわりを清潔に保っておきましょう。いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。
花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。
増やし方
【株分け】
植え替える際に大株に育っていたら、4~5芽つけて根を切り分ける「株分け」をし、植え直します。株の若返りにもつながり、切り分けた分だけ株を増やすことができます。株分けのメリットは、同じ花が見られるクローンが増えることです。スズランは全草に毒を含むため、作業の際にはゴム手袋をはめておきましょう。
【種まき】
スズランのタネはほとんど流通していないので、種まきをする場合は花がら摘みをせずに実をつけさせてタネを採取します。スズランは全草に毒を持っているので、作業の際には必ずゴム手袋をはめましょう。グリーンの実が熟れて赤くなった頃に、実を採取して皮をむき、果肉からタネを取り出しましょう。タネが乾燥しないうちに、種まき用のトレイに用土を入れて播き、半日陰に置いて水やりを忘れないように管理します。翌年の春頃に発芽し、本葉が数枚ついたら黒ポットに鉢上げして育苗しましょう。種まきから発芽までかなり時間がかかるので、ビギナーさんなら苗を園芸店で購入するか、株分けして増やす方法がおすすめです。
スズランの毒に気をつけよう!
スズランに病害虫が発生しにくいのは、全草に毒を持っているからです。スズランに含まれる有毒成分は30種を超えるとされ、摂取すると頭痛や嘔吐、めまいや不整脈、血圧低下などの症状が現れます。中でもスズランに含まれる強い有毒成分のコンバラトキシンは致死量が約18mg前後ですから、微量を摂取しても死を招く危険性があります。実際に、スズランをコップに活けておいたところ、そのコップの水を幼児が誤飲して、死亡した例もあるほど。花粉にも毒を含むため食卓に飾るのは厳禁ですし、ペットや幼児のいる家庭では、手の届かない場所に置くなどの注意が必要です。ガーデニングをする際も、必ずゴム手袋をして取り扱いましょう。
スズランは水栽培で育てることもできる

スズランは、ヒヤシンスのように水栽培をすることが可能です。日当たりのよい室内で育てることができ、身近なところで日々成長する様子を楽しめます。土を使わないため手軽で、小さな瓶を利用して水栽培すれば、場所を取らず、移動も簡単。液肥を正しく用いて養分をサポートすれば、順調に生育しますよ!ただし、前述のように全草に毒を持っているので、置き場所や取り扱いには注意しましょう。
来年も花を咲かせるためのコツは?

スズランは多年草なので、一度植え付ければ、春には毎年開花を楽しめます。しかし、「1年目は開花してくれたのに、気づいたら消えていた、なぜ !? 」という声がよく聞かれます。そこで、スズランを毎年咲かせるためのポイントをまとめました。
暑い夏を乗り切る
スズランは、日本の暑い夏が大の苦手。夏をうまくしのぐことが最大のポイントといえるでしょう。真夏は直射日光にさらされるのを防ぐ以外に、風通しがよく涼しい場所で管理するのがポイント。いっそのこと鉢植えにして、クーラーのきいた部屋に取り込み、レースカーテン越しの日が入るような場所で管理するのも一案です。その場合、水は乾燥させない程度に、蒸れないように控えめに与えるとよいでしょう。
地下茎を育成する
スズランは地下茎にエネルギーを溜めて、翌年の開花に備えます。花が咲き終わったあとは株が消耗しているので、必ず肥料を与えることが大切です。これを「花を咲かせてくれてありがとう、来年もよろしくね」という目的で施す「お礼肥(おれいごえ)」といいます。葉が光合成をして地下茎にしっかりとエネルギーを蓄えられるように、邪魔になるからといって茎葉を紐などで束ねることも厳禁です。
スズランの花が咲かない理由

スズランが咲かない理由には、以下があります。
株の過密
数年植え替えをせずにいると、株が過密になって風通しが悪くなり、栄養が行き渡らなくなります。2〜3年に一度は株分けや植え替えを行い、適切な密度に調整しましょう。
日照不足
スズランは半日陰での栽培が推奨されていますが、花を咲かせるには春先にしっかり日光に当てて球根を太らせることが大切です。開花期が近くなったら、日当たりを注意深く確認しましょう。
肥料の過不足
肥料は与え過ぎても、少なすぎても生育に影響します。適度な量を心がけましょう。
間違った剪定
花後にすぐ葉を切り取ってしまうなど、間違った剪定を行うと、十分に光合成ができずに株が弱り、花が付きづらくなります。
スズランは小さくても丈夫!夏はしっかり管理しよう

春先に見せてくれる花姿は可憐で、人気が高いスズラン。病害虫がつきにくく、ガーデニングのビギナーでも育てやすい植物です。暑さに弱い性質がキーポイントになりますが、夏越しさえできれば、生命力が強くてよく増え、毎年開花してくれます。ぜひガーデンやベランダに迎え入れて、スズランを愛でてはいかがでしょうか。
Credit 文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
