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庭は北向きが正解!? シドニーから届いた、植物のある暮らし。オージープランツの故郷で驚いた7つのこと

庭は北向きが正解!? シドニーから届いた、植物のある暮らし。オージープランツの故郷で驚いた7つのこと

街全体がひとつの大きな「庭」。ポッサムと共生する、シドニーの軽やかな日常

シドニーの街

シドニーで暮らして最後に行き着いた最大の驚き。それは、この街全体がまるで巨大な植物園のように、どこへ行っても生命力あふれる緑と色彩に満ちていることでした。

シドニーの街

日常のすぐそばに、驚くような絶景が転がっています。ビジネス街のビルの足元には色鮮やかな花壇が広がり、街角のカフェには日本では見たこともないユニークな花々が並びます。人々はそれを当たり前の風景として慈しみ、街全体がひとつの大きな「庭」のように機能しているのです。

しかし、この「街全体が庭」であることは、野生動物にとっても同じ。それを象徴する出来事がわが家のベランダで起きました。ある日、ポッサムが住み着いてしまったのです。ポッサムとは、カンガルーと同じ「有袋類」の仲間で、つぶらな瞳とふわふわの毛並みが特徴の夜行性動物。やがて赤ちゃんまで産まれ、最初は喜んで見守っていたのですが……驚いたのはその食欲でした。夜な夜な活動しては、丹精込めて育てていた植物を、一晩で見事に食べ尽くされてしまったのです。

ポッサム

「せっかくの花が!」と嘆く私に、現地の友人は「彼らもこの庭の住人だからね」と笑って言いました。シドニーの人々は、花を愛でるだけでなく、それを狙う動物たちとも地続きの日常を送り、自然を丸ごと受け入れています。

花を単なる「観賞の対象」ではなく、野生動物も含めた「大きな生命の循環の一部」として楽しむ。ポッサムとの騒がしい共生生活を通じて、私の花との向き合い方も、より自由で軽やかなものへと変わっていきました。

オーストラリアのワイルドフラワー群落
オーストラリアの乾いた大地に春を告げる、エバーラスティングのワイルドフラワー群落。Tania Stout/Shutterstock.com

日本では“珍しい植物”として出合うことの多いオージープランツも、シドニーで暮らしてみると、街路樹として、庭木として、切り花として、そして野生動物と分け合う緑として、日々の暮らしのすぐそばに息づいています。北から降り注ぐ太陽、乾いた大地に進化してきた固有種、火災から再生する森、ポッサムも訪れる庭。日本で見るオージープランツの向こう側に、こんなにも豊かな風土と暮らしが広がっていることを、シドニーの日常は教えてくれました。

Credit 文&写真(クレジット記載以外) / 新井直美

オーストラリア・シドニー在住29年。エクステリアメーカー勤務。現地の住まいや庭づくりに関わる仕事のかたわら、自宅でガーデニングや観葉植物の栽培を楽しむ。長年のシドニー暮らしを通じて、オージープランツをはじめとする現地の植物、植物園、街の緑、野生動物と共生する庭のあり方に親しんできた。暮らしの中で見つけた、オーストラリアならではの植物文化を紹介する。

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