
◆初公判では“同意があった”主張で全面対決に
有名人の裁判で度々使用されてきた、東京地裁429号法廷。静寂に包まれた法廷にドアの開閉音が響くと、その奥から斉藤被告が入廷してきた。前回の公判と同様に、着込んだ風合いのヨレた黒色のスーツに、紺色のネクタイ姿。傍聴人を見渡すことなく、弁護側の横に用意された椅子に腰をかけた。初公判で斉藤被告は「私の行為にAさんが同意してくれていると思っていました」と、検察側の見立てを否定していた。
この裁判の争点は、①性的暴行があったのか否か、②斉藤被告は被害者のAさん(20代・女性)が同意していないことの認識(故意)があったのか否か、の2点。
検察側は、斉藤被告がAさんに路上に停車中のロケバスの車内で、3つの場面において性的暴行を加えたとして起訴した。起訴罪名の成立について、検察側はこのように指摘する。
「Aさんが斉藤被告からの突然の性的行為に恐怖や驚愕を覚えたうえ、ロケ中だったため時間に余裕がなかったことや、斉藤被告の芸能界での影響力から行為を断ると自身の不利益になると考え、同意しない意思を表明することが困難な状況にあった。そのことを斉藤被告も認識しており、故意も認められる」(検察側冒頭陳述より)
対する弁護側は、一部の起訴内容を完全否定したうえで、Aさんの「ありがとうございます」などの具体的な発言内容に触れた。そして犯行当時、斉藤被告はAさんに対して、強引な行為をしておらず、性的行為も受け入れられていたと認識していたとして、故意がないと反論した。
「斉藤さんに言い渡されるべき判決は無罪判決です」(弁護側冒頭陳述より)
◆番組ディレクターが証言台へ
今回の第3回公判の場面に戻ろう。この日の裁判では、検察側の有罪立証のために、事件当日に撮影していた番組のディレクターが出廷した。主に、番組制作や犯行前後にあった出来事について証言された。一方の斉藤被告は証人尋問中、今後の裁判に備えてなのだろうか。机の上にメモ用紙とペンを置いていた。
証人請求をした検察側から尋問がはじまった——。

