
2026年4月、埼玉・千葉・神奈川の3県知事により、東京都への税収集中を背景とする「税源偏在」の是正を求める文書が提出されました。これまでにも、地方行政格差の問題はたびたび訴えられてきましたが、いまだ税制制度の抜本的改革には至っておらず、部分的な見直しにとどまっています。本稿では、地方税制の現状と論点を整理しつつ、「“住民=顧客”の満足度」という視点から、地方財政のあり方を考えます。
繰り返される「税源偏在是正」の要請
2026年4月13日、埼玉県、千葉県、神奈川県の3県知事は、財務省と総務省を訪れ、東京都と周辺自治体との間で行政サービスに格差が広がっているとして、税源の偏在是正を求める文書を提出しました。
この動きは今回が初めてではありません。2025年8月にも、同じ3県の知事が財務省・総務省に対し同様の申し入れを行っています。大企業が東京都に本店や事業所を集中させていることにより、東京都への税収の偏在が進んでいるとして、地方一般財源の総額確保・充実を求めてきました。
利子割見直しと「清算制度」構想
こうした要請を受け、総務省は「地方税制のあり方に関する検討会」を設置し、2025年7月に中間報告書を公表しました。
そのなかでは、利子割の納税について、金融機関の所在地ではなく、利子と相関性の高い所得データに基づいて都道府県間で税収を調整する「清算制度」の導入案が示されています。
なお、利子所得は原則として、15.315%(これに加えて地方税5%)の税率による源泉分離課税であり、源泉徴収によって納税が完結する仕組みとなっています。
