"法的な親代わり"となる「未成年後見人」
こうした場面で重要になるのが、「未成年後見制度」だ。
未成年後見人とは、親の死亡や親権喪失などによって親権者がいなくなった未成年者について、家庭裁判所が選任する"法的な保護者"のような存在だ。
役割は幅広く、日常生活の支援だけでなく、相続財産の管理や契約行為、進学手続き、施設入所契約などを担うケースもある。親の急死後、誰が子どもの財産を管理し、生活を支えるのか――その空白を埋める制度ともいえる。
一方で、この制度は一般にはあまり知られていない。高齢者の認知症対策として「成年後見制度」は広く知られるようになったが、「未成年後見制度」については耳にしたことがないという人も少なくないだろう。
実際には、親の急死後に初めて制度の存在を知り、慌てて家庭裁判所への申立てを進める家族もあるという。子どもに財産を残すことだけでなく、「その財産を誰が管理し、どう生活を支えるのか」まで考えておかなければ、残された子どもが不安定な状況に置かれる可能性もある。
「祖父母も高齢で引き取れない」…変わる家族のかたち
かつては、親が亡くなった場合、祖父母や親族が子どもを引き取ることが一般的だった。
しかし現在は、その前提自体が大きく揺らいでいる。背景にあるのは高齢化だ。祖父母自身が80代、90代というケースも珍しくなく、「自分たちも高齢で育てきれない」という理由から、引き取りを断念せざるを得ない家庭も増えている。
それに加えて、親族関係の希薄化も無視できないだろう。「長年疎遠だった」「相続トラブルを抱えていた」「再婚家庭で関係性が複雑になっている」など、さまざまな事情が絡み合い、親族間の調整が難航するケースも少なくない。
児童相談所は、虐待対応だけでなく、こうした"家庭崩壊後の受け皿"としての役割も担っている。だが、現場の負担は年々増しており、支援体制の強化が求められている。
